1: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)06:26:43 ID:bQn
ギャルJK「やっべーw マジエモいんですけどw」

引用元: ・http://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1566768403/

2: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)06:39:21 ID:bQn
数日前

ギャルJK「え? あたしが選抜校外実習に? マジダルいんですけどー」

担任「そうは言われてもな、決まりだから」

ギャルJK「そもそも選抜校外実習ってなんでやるわけ? 意味ある~?」

担任「……これに選ばれたってことは学校からも一目おかれてるってことだ」

ギャルJK「あたし別に成績が特別いいわけじゃないしスポーツできるわけでもないんですけど~?」

担任「確か君は進学希望だったな? この行事に選ばれて参加した生徒は内申点が上がって推薦も狙えるぞ?」

ギャルJK「ふーん……。いや、でもダルいわ~」

担任「参加しておいて損はないはずだ」

ギャルJK「……」

5: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)06:50:56 ID:bQn
現在

ギャルJK「……で、なんで参加者があたし一人なわけ~?」

学校職員「そうではありません。現地で他の学校の選抜生徒と合流する手はずとなっております」

ギャルJK「現地ね……。その現地っていったいどこなわけ? しかもなんであたし飛行機に乗ってるわけ? しかもこの飛行機ってあれだよね? 輸送機ってやつ?」

学校職員「……よくご存知で」

ギャルJK「ゲームで見たやつじゃんこれ。兵隊が乗ってるやつじゃん」

ギャルJK「ってかなんも教えてもらってないとかどういうわけ? それって許されないよね? 私物は没収されるし、チョーサイアク」

ギャルJK「海の上だし……。まさかあたしを無人島生活させるとか? ちょーウケるんですけど」

学校職員「……」

学校職員「その通り」ニチャア

ギャルJK「え? 今なんて……」

その瞬間、ゆそーきの後部ハッチが開いて、あたしは大空に投げ出されたんだ。まじありえない、死にたい。会いたくて震える。

8: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)07:02:57 ID:bQn
ギャルJK「どーゆーこと!? 死ぬかと思ったし!」

ザザー海

ギャルJK「ってかこのベスト、パラシュートだったんだ……。自動で開くし、マジバイブス上がるわ~」

ギャルJK「……で、ここどこよ? マジで無人島じゃん」

??「皆さんこんにちは」

ギャルJK「……?」

ギャルJK(なんか数時間前に着けさせられた腕時計みたいなやつが喋るんですけど! マジウケる!)

??「皆さん、フライトは楽しめましたか?」

ギャルJK「は? マジムカつくんですけど!」

??「無事に着陸できてなによりです」

??「ところで、ここがどこだか気になりませんか?」

ギャルJK「確かに!」

??「ここは硫黄島と呼ばれている島です。かつて日本とアメリカが激戦を繰り広げた戦場ですね」

ギャルJK「硫黄島……。確かじえーたいがいて一般人は来れない島じゃん!」

??「現在は政府の指針により、無人となりました」

ギャルJK「どーゆーこと?」

??「なぜ無人になったか……」

??「それは、再び戦場に選ばれたからです……!」ニチャア

16: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)07:18:27 ID:bQn
ギャルJK「は?」

??「あなたたちは選抜生徒。そう、これから始まる殺し合いのために選ばれた生徒なのです!」

ギャルJK「やっべ! やっべ!」

??「ルールは簡単。この島に上陸した他の選抜生徒と殺し合いをしてもらい、最後に立っていた者だけが無事に島から出られます」

??「私たち選抜校外実習の実行委員会が上からも下からも横からも常時モニタリングしてるので、生き残りが確定した時点で迎えを派遣します」

??「なお、殺し合いに専念して欲しいので、生活に必要なあらゆるものは我々の輸送機で、決まった時間に物資を投下します。また、島の各地点にも物資を貯蔵した保管庫があります」

??「武器についても同様」

??「保管庫に籠城して防衛戦をするのも良し、仲間を作って有利に進めても良し」

??「ただ、生き残れる人数は限られています」

??「仲間から背中を刺されないよう、注意してくださいね」ニチャア

??「それでは、素敵な校外実習をお送り下さい」

ギャルJK「……」

ギャルママ「まじ疲れた。寝よ……」

18: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)07:18:42 ID:bQn
ママってなんやねん間違えた

25: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)07:29:27 ID:bQn
ギャルJK「殺し合い? 絶対嘘でしょ」

ギャルJK「だいたいせーふがそんなこと許すはずないし。あべちゃんが怒るし」

ギャルJK「きっとドッキリかなんかっしょ。モニタリング言ってたしモニタリングの一般人ドッキリとか?」

ギャルJK「だとしたらスタジオで三代目のナオトくん見てるってこと? マジやばたにえん!」

ギャルJK「寝てちゃダメだな。なんかしないと」

ギャルJK「ってか、硫黄島ってこんなジャングルあった?」

ギャルJK「パパが観てた『硫黄島からの手紙』では木なんて生えてなかったけどなあ」

ギャルJK「……ん?」

ギャルJK「あれ……ゆそーき!?」

ギャルJK「なんか落とした……!」

ギャルJK「あれが物資ってやつ……? やべー、ナプキンないし取りにいかないとマジやばいわ~」

ギャルJK「ジャングルの中に落ちたか~」

ギャルJK「……行くしかないっしょ」

28: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)07:39:19 ID:bQn
ギャルJK「げぇ~、最悪。暑いし、汗びっしょりだし、虫多いし、なんか変な鳴き声するしぃ~」

ギャルJK「近くに落ちたように見えたんだけどなぁー。ってか、ここどこよ?」

ギャルJK「やっべ、まじ迷子だわ。今の私日本兵じゃん。マジ小野田さん」

ギャルJK「……ん? あの木に引っかかってる箱って、もしかしてさっきの……」

ギャルJK「どーしよ……。あたし木登りできないしぃ」

ギャルJK「……やるしか、ないか」

ギャルJK「んよいっしょ! よっこいしょーいち!」

ギャルJK「もう少しで……!」

ガサッ!

ギャルJK「え? 誰!?」

ギャルJK「きゃっ!」

ここで一句

このあたし 木から落ちて 夏の虫

30: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)07:46:08 ID:bQn
ギャルJK「あ、I don't wanna die!」

??「……ふっ!」

ギャルJK「……あれ?」

??「だ、大丈夫かい……?」

ギャルJK(あたし、カブトムシみたいに木から落ちちゃったけど)

ギャルJK(誰かに抱きかかえられた……?)

ギャルJK(これ、お姫様だっこぢゃん!)

ギャルJK(甘い匂いに 誘われたあたしは カブトムシ)

ギャルJK(あたしを助けてくれたのはどこのイケメン~?)

デブメガネ「大丈夫かい?」ニチャア

ギャルJK「CHANGE!!!!」

37: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)08:12:08 ID:bQn
>>32
多分160cm後半くらい

33: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)07:57:08 ID:bQn
デブメガネ「……え? チェンジ?」

ギャルJK「え、あー……なんでもない!」

ギャルJK「それより、ありがと!」

デブメガネ「あ、おうふ……」ニチャア

ギャルJK「あの、ごめん、下ろしてもらっていい?」

デブメガネ「あ! しゅ、しゅみましぇん!」

ギャルJK「ありがと……もしかして、キミもこのドッキリに参加させられた人?」

デブメガネ「ドッキリ……? あ、ああ……! そうです……」

ギャルJK「ほんと手がこんでるよね~。一般人にこんなことさせるなんて」

デブメガネ「いや、もしかしたらこれはドッキリなんかじゃ……」

ギャルJK「あ、そーだ! あそこに引っかかってる箱を取りたいんだけどさー」

ギャルJK「ちょっともー一回登ってくるわ!」

デブメガネ「あ、あの……! 僕が取ってきましゅ!」

ギャルJK「え? キミ、できるの……?」

デブメガネ「ち、力仕事は男の僕が……!」

ギャルJK(この体系でいけんの……? まじライザップゥ~)

ギャルJK「あ、ありがとね~(まあ頼んでおくか)」


30分後

デブメガネ「……!」

デブメガネ「……取れません゛ッ!」

35: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)08:10:47 ID:bQn
ギャルJK「ちょっと、大丈夫~?」

デブメガネ「だいじょ……あぁ゛!」

ギャルJK(ちょ、落下した!?)

デブメガネ「まだし゛に゛た゛く゛な゛な゛い゛!」

ギャルJK「……ふんっ!」ダキ

デブメガネ「あ……お姫様だっこ……//」ポッ

ギャルJK「まったく、できないならできないって言えばいーじゃん」

ギャルJK「あたしは笑ったりなんかしないし?」

デブメガネ「あ……// しゅみましぇん……//」

ギャルJK「ったく、あたしが登るから見張ってて?」

ギャルJK「それにしても……あの箱、なかなかデカいから掴んで降ろすのは無理ゲーっぽいな~」

ギャルJK「パラシュートの紐を掴んで引っ張るとか……できるかぁ?」

デブメガネ「あ、それなら……僕のナイフを使ってくだしゃい……」

ギャルJK「え? ナイフなんて持ってんの? 早く言えし~!」

ギャルJK「じゃあこのホルダーごと腰に巻いて……行ってくるわ!」

デブメガネ「が、頑張ってくだしゃい!」

ギャルJK「ん~っしょ! よし、このパラシュートの紐を切れば、箱が落ちるはず……!」

ギャルJK「……よし!」

ガサガサ! ボトッ!

デブメガネ「うわあ!」グチャア

ギャルJK「あ、ごめん大丈夫!?」

デブメガネ、落下した箱に潰されて死亡。

デブメガネ、脱落!

39: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)08:20:09 ID:bQn
ギャルJK「ちょっと大丈夫!?」

ギャルJK「じ、人工呼吸しないと!?」

チュッ!

デブメガネ「……ありがとうございますぅ!」

デブメガネは息を吹き返した!

ギャルJK「よかったぁ……! まじごめん!」

デブメガネ「むしろありがとうございますぅ!」

数分後

ギャルJK「で、箱の中身は……」

ギャルJK「ナプキン入ってないかなぁ~」

デブメガネ「な、ナプキン……//」

ギャルJK「お、なんかあるよ~!」

ギャルJK「……」

ギャルJK「……なにこれ」

デブメガネ「これは……」

デブメガネ「これは、鎖鎌です」メガネクイッ

ギャルJK「……」

ギャルJK「くさりがまぁ!?」

42: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)08:38:06 ID:bQn
ギャルJK「鎖鎌? なにそれ?」

デブメガネ「……武器でしゅね」

ギャルJK「武器……!? しかもこれしか入ってないじゃん!」

ギャルJK「水とか食料もないじゃん! マジありえね~!」

デブメガネ「骨折り損でしゅね……」

ギャルJK「まじやる気失せたわ~。これからどーしよ」

デブメガネ「……とりあえず、僕が落下した場所に水場がありました」

デブメガネ「そこに戻れば、水は確保できましゅが……」

ギャルJK「喉乾いたし、あたしもそこいくわ~。いいっしょ?」

デブメガネ「……はいっ//」

水場

ギャルJK「すげー! 滝じゃん!」

デブメガネ「はい、とりあえず飲料水の問題はなんとかクリアできましゅね……。ベアグリルスもサバイバルでは水が重要だと……」

ギャルJK「じゃーあたしひとっ風呂浴びてくるわ~!」

デブメガネ「ええっ……!?」

ギャルJK「汗かいて体ベタベタで気持ち悪いんだもん。じゃあ見張りよろしく~。終わったらあたしも見張ってるから浴びといで~?」

ギャルJK「あーでもタオル持ってきてなかったぁ~」

デブメガネ「……僕のハンドタオルで良ければ」

ギャルJK「お、気がきくじゃんまじイケメン~!」

デブメガネ「あ、ありがとうございましゅ」

ギャルJK「じゃー行ってくるわ~」

44: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)08:50:59 ID:bQn
数十分後

ギャルJK「で、これからどーするよ?」

ギャルJK「あたしはこの鎖鎌? しか持ってないしぃ~」ヒュンヒュン

ギャルJK「てかこれ意外と面白いかも。コツ掴んできたわ」

ギャルJK「こーやって……こう!」ビュンビュン

鹿「いてえ゛ッ!」

ギャルJK「あ、ごめん!」

鹿「……」

ギャルJKは食料を手に入れた!

デブメガネ「問題は火でしゅね……。ベアグリルスによれば火は……」

ギャルJK「食料と水はゲットしたけど、いつまで続くわけ~? ドッキリにしてもスケールぱないわ~」

デブメガネ「いつのまにか陽も傾いてきましゅた。まずはご飯にしましょう」

デブメガネ「ベアグリルスの動画の知識しかありませんが、この鹿をナイフを使って解体して、火を起こして……」

ギャルJK「あ、火起こし? あたしできるよ!」

ギャルJK「寝床と火はあたしに任せて! ガールスカウトで習ったんだ~! 中退したけど!」

デブメガネ「じゃあ、僕は鹿を解体しましゅ……。動画の知識しかありましぇんが……」


45: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)09:10:21 ID:bQn
数時間後

ギャルJK「鹿さんごめん! おいしい!」モグ

ギャルJK「マジ動物に感謝ァ~」

ギャルJK「ってかこの鎖鎌意外と使えるわ~。枝切れるし、狩もできるしぃ」

デブメガネ「そうでしゅね。それに、その鎖を振り回す音で危険な野生動物も威嚇できそうでしゅ」

ギャルJK「そーいえば、殺し合い? とか言ってたけど……」

デブメガネ「あ、はいっ……。本当なのでしょうか……」

ギャルJK「こんな島に落とさせて、サバイバルさせて、もしかしたらほんとなのかもね~」

デブメガネ「全然実感がわきませんが……」

ギャルJK「……だとしたら、あたしたちも殺し合いしないとダメってこと?」

46: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)09:11:22 ID:bQn
デブメガネ「それは……」

ギャルJK「あたしさ、そんなことやりたくないし」

デブメガネ「……」

ギャルJK「あたしとキミなら、そんな殺し合いなんてしなくても生き残れる気がする」

デブメガネ「……え?」

ギャルJK「だって、キミはそのナイフがあるのにあたしを襲わなかったし」

デブメガネ「そ、それは……」

ギャルJK「それに、動物の解体もできるし!」

ギャルJK「あたしが火を起こしたり、拠点を作ってさ、キミが他のことをやる!」

ギャルJK「二人で協力すれば、きっと乗り切れるよ!」

デブメガネ「そう、ですかね……」

ギャルJK「いけるっしょ! 二人で協力しよーよ!」

デブメガネ「……」

デブメガネ「よ、よろしくお願いします! えーと……」

ギャルJK「あたしは『ギャル子』! 好きに呼んでよ!」

デブメガネ「ぼ、僕は『デブ』です!」

ギャルJK「よろしくね! メガネくん!」

ギャルJK「やっぱ安西って呼ぶわ!」

49: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)09:28:25 ID:bQn
そして、一夜が明けた

ギャルJK「んー、おはよー……」

デブメガネ「3_3」

デブメガネ「うーん、メガネメガネ……」

ギャルJK「てか今何時~?」

デブメガネ「この端末によれば、6時になるところでしゅ」

ギャルJK「意外と早起き~。水浴びてくるわ~、朝から暑すぎ~」

デブメガネ「あ、はい。見張りしときましゅ」

ギャルJK「頼んだよ安西~」

数十分後

ギャルJK「それで、今日はどーしよっか? お腹すいたぁ~」

デブメガネ「そうでしゅね。食料の確保が最優先でしゅね。さすがに毎日毎日狩をするのも厳しいでしゅから、保存食も見つけなければ……」

デブメガネ「動物を捕まえる罠を複数作って、あとは川で魚を捕らえる罠も作って、木の実など保存食も採集して……」

ギャルJK「だねー。じゃああたしは食べられそうな木の実とか草とか見つけてくるわ~。ガールスカウトで習ったし~。中退したけど」

デブメガネ安西「じゃあ僕は罠を作って設置しましゅ。ベアグリルスで習ったんで」

ギャルJK「じゃあ別行動だねー。電話とかあればいいんだけど、この時計にそんな機能ないっぽいしぃ~」

ギャルJK「とりあえず一時間ちょいその辺ぶらぶら探して来るから、戻って来なかったらヤバいと思ってよ?」

デブメガネ「わかりましゅた! 幸運をいのりましゅ!」

ギャルJK「ははっ、幸運とかウケる~」

50: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)09:40:18 ID:bQn
デブメガネ(ギャル子さん、か……)

だって、キミはそのナイフがあるのにあたしを襲わなかったし

デブメガネ(違う……)

デブメガネ(襲わなかったんじゃない、襲えなかったんだ……!)

やーいやーい、安西ー!

デブメガネ(昔から僕は、虐げられてきた)

デブメガネ(人から必要ともされず、勇気もない……)

デブメガネ(だからサバイバルの動画を見て、強くなった気でいたんだ……!)

デブメガネ(そこに舞い込んできた校外実習の知らせ……最初はこんなことになるとは夢にも思わなかった)

デブメガネ(人から必要としてもらえる気がして参加したんだ……)

デブメガネ(そしたらこうなって……僕には、人を押しのけてまで生き残る勇気などない)

デブメガネ(だったら、裏切りられてもいい……。せめて役に立ってから死のう……)

デブメガネ(ギャル子さん……髪は染めてるし、エ、ラフな格好だし、裏切りそうな見た目はしてるけど、悪い人ではなさそう)

デブメガネ(だったら、僕は……)

皆さん、おはようございます!

デブメガネ「……!?」

51: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)09:51:15 ID:bQn
皆さん、おはようございます!

ギャルJK「……!」

昨夜はよく眠れましたか?

ギャルJK「まあそれなりに眠れたけど」

さてさて、校外実習という名の殺し合い、満喫してますか?
今日も複数に分けて物資を落としますから、お楽しみにして下さい!

ギャルJK「どーせまたしょーもないもん落とすんでしょー」

そうだ、さっそく脱落者が出ましたので、お知らせしまーす!

ギャルJK「え、脱落者……?」

昨日の脱落者は、田中フサエさん!
死因は、金属バットでぇす!

ギャルJK「……撲、殺!?」

残念ですねぇ~!
実感がない方もいらっしゃるかもしれませんが、もう殺し合いは始まっているのです!
では、引き続き素敵な殺し合いを!

ギャルJK「……マジかよ」

52: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)10:02:47 ID:bQn
安西「……ギャル子さん、遅いな」

戻って来なかったらヤバいと思ってよ

安西「……あれから二時間になろうとしている」

安西「さすがにこれは……」

安西「探しにいくか……」

数分後

安西「ギャル子さん……」

安西(殺し合いは始まっている……大声で呼びかけるわけにもいかない。ギャル子さん以外は敵だ……! 見つかったら危ない)

安西「くそ……。ギャル子しゃあん!(大声)」

ギャルJK「助けて安西!」

安西「な、ギャル子さんの声!? ギャル子さん!」

ギャルJK「安西……ごめん」

安西「……!」

ギャルJK「見つかっちゃったぁ……」ボロ

安西「……ッ」

ヤンキー「ははっ! 誰かと思えばデブ陰キャが助っ人かよォ!」

53: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)10:13:23 ID:bQn
安西「こ、これは……」

ヤンキー「殺し合いは始まってるってゆーのに、こいつが呑気にふらついてるからよぉ!」

ギャルJK「……」

ヤンキー「少し 味見 してたところだ……!」

ギャルJK「味見? あたしにビンタされてた癖に強がってんのウケるわ……!」

ヤンキー「……うるせぇ! 黙れビッチ野郎!」ドゴッ

ギャルJK「……ウ゛ッ!」

安西「や、やめろ!」

ヤンキー「んだよ、やんのか?」

安西「ひ、ひっ……!」

ギャルJK「安西……あたしはいいから、逃げて!」

ヤンキー「そうだよ。これは弱肉強食の殺し合いだァ。強い奴が生き残る! 死にたくないなら逃げろォ!」

ヤンキー「……ま、お前みたいな陰キャはどのみち死ぬ運命だけどな!」

安西「……!」

安西(くそ……! 逃げたい、逃げたいよ!)

安西「でも、ここで逃げたら……僕はただのデブだ!」

ギャルJK「あ、安西……!?」

ヤンキー「そ、そんなナイフ取り出しても怖くなんかねーよ……!」

安西「うわあああああああああああああ!」ダッ

54: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)10:23:23 ID:bQn
ヤンキー「……!」

安西「うわあああああああああああ!」

ヤンキー「怖くねぇんだよ!」バキッ

安西「ウ゛ッ!」

ヤンキー「はは! 所詮陰キャは武器持っても陰キャだな!」

ヤンキー「知ってるかぁ? 喧嘩ってのはリーチなんだよ!」

ヤンキー「俺の 金属バット のがナイフよりリーチは上だ! お前の負けなんだよ!」バキッ

安西「ガハッ!」

ギャルJK「安西!! やめて!!」

ヤンキー「こんな陰キャなんかより俺の奴隷になれよ! 強い者についた方が生き残れるぜ!」

ヤンキー「お前は俺の世話をするだけだ! そしたら守ってやるからよォ!」

ヤンキー「もちろん下の世話もなぁ!」ドゴッ

安西「う゛う゛ッ!」

ギャルJK「わかった! わかったからもうやめて!」

ヤンキー「ん? 今『わかった』って言ったな?」

ピタッ

ギャルJK「……言ったよ」

ギャルJK「あんたの弱点が、『わかった』!」

56: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)10:34:58 ID:bQn
ヤンキー「……!?」

ヤンキー「な、何ィ!?」

ヤンキー「俺の足に……いつの間に鎖が巻きついてやがるゥ!?」

ギャルJK「以外と使えんじゃん……鎖鎌!」ギュッ

ヤンキー「うわっ!?」バタッ

安西(鎖鎌の鎖を足に巻きつけて、倒した……!)

ギャルJK「あたしは激おこだよ……!」

ギャルJK「これは安西を傷つけたぶん!」バキッ

ヤンキー「ガハッ!」

ギャルJK「そしてあたしを傷つけたぶん!」バキッ

ヤンキー「ヴッ!」

ギャル「そしてこれが……トドメだァッ!」バキッ

ヤンキー「ぐわ゛ッ……!」

ギャルJK「安西、ナイフ貸して」

安西「え……!?」

ギャルJK「貸して」

安西「ひゃ、ひゃい!」

ギャルJK「こんな状況だもん、食料は多い方がいいもんね~?」ニチャア

ヤンキー「お、俺を食う気かッ!?」

ヤンキー「や、やめてくれぇ!!」

ヤンキー「ひ、ひぃいっ!」ダッ

59: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)10:45:20 ID:bQn
安西「あ、逃げた……!」

ギャルJK「ったく……」

ギャルJK「まあ、バットは置いてったし、背負ってたリュックも落としていったし……」

ギャルJK「……お、安西! リュックに携帯食と医薬品入ってるよ! やったじゃん!」

ギャル「これで手当てもしちゃおっか! 大丈夫?」

安西「なんとか大丈夫でしゅ……。幸い頭部には当たらなかったので……打撲って感じでしょーか」

安西「ははっ、脂肪が防いでくれたんでしゅかね……! デブで良かったです……!」

ギャルJK「強がんなし。ほら、擦りむいてるとこ見せな?」

安西「……しゅみません」

安西「ギャル子しゃん……」

ギャルJK「あたしはだいじょーぶだからさ。庇ってくれてありがとね」

安西「いえ……。しゅみましぇん」

ギャルJK「あやまんなし」

61: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)10:56:39 ID:bQn
二日目も終わろうとしている

ギャルJK「凄いじゃん安西! 動物はとれなかったけど魚とれたね! 焼き魚定食じゃん!」

安西「川の浅瀬に石を積んで囲いを作り、木の杭で入口を狭くするんでしゅ。そうすりゅとそこに入ってしまった魚は脱出しずらくなって簡単に捕獲できりゅんでしゅよ」

ギャルJK「安西マジ天才じゃん! あの男の食料と、安西の罠でしばらくは困らなそうだね! 案外なんとかなるんじゃね!?」

安西「ははっ、そうだといいんでしゅが……」

一時間後

安西「だいぶ日も暮れてきましたね……。そろそろ休みましょーか?」

ギャルJK「……そう、だね」

62: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)11:05:07 ID:bQn
安西(ギャル子しゃん、無理に元気に振舞っていたけど、やっぱり辛そうでしゅ……)

安西(僕が頼りないばっかりに……!)

ギャルJK「……火、消した方がいいよね?」

安西「……?」

安西「しょうでしゅね……。野生動物は怖いでしゅが、火があると人間からは格好の的になりましゅし……」

ギャルJK「だよね……」

安西「あの、ギャル子しゃん!」

ギャルJK「……?」

安西「今日は、本当にしゅみましぇんでした……」

ギャルJK「だからあやまんなし……。安西が来てくれなかったら、あたし死んでた……」

ギャルJK「やっぱ殺し合いなんて無理……。怖かった……!」

安西「ギャル子しゃん……」

安西(泣いてる……?)

安西(女の子がこんなに怖い思いをしているのに……僕は何も……)

ギャルJK「……安西、ハグして?」

64: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)11:18:51 ID:bQn
安西「……え?」

ギャルJK「お願い……」

安西「僕で、いいんでしょうか……」

ギャルJK「安西だからいいの……!」

安西「分かり、ましゅた……」

ダキッ

安西(やわらかい……震えてる)

安西(いいにおひ……クソッ! このいない歴イコール年齢の僕に始めて訪れたチャンスなのに!)

安西(ギャル子しゃんのおっぱい、チラ見してるブラジャー、甘い吐息、震える唇……こんなに近くにあるのに!)

安西(微動だにしない僕のちんぽこッ……!)

安西(僕はEDだ……この敗北感が、僕を、不能にさせている……!)

ギャルJK「安西……怖かったよぉ……」

安西(こんな弱者の僕にできりゅことは……せめて……)

安西「ギャル子しゃん、大丈夫でしゅ。僕が見張りで起きてましゅから、ギャル子しゃんは休んでくだしゃい……」

ギャルJK「安西ぃ……」

ギャルJK「zzz……」

安西「寝るの早」

65: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)11:26:10 ID:bQn
三日目、朝

ギャルJK「うーん……。おはよ……」

安西「おはよう、ございましゅ……」

ギャルJK「もしかして、安西寝てないの!?」

安西「ちょっとだけしか……」

ギャルJK「ずっと見ててくれたんだよね……。マジごめん……」

安西「いいんでしゅ、それくらいしか僕はできましぇんから……」

ギャルJK「あ、そうだ! 今日はあたしが罠の様子とか見てくるから! 安西は休んでて!」

安西「で、でも……」

ギャルJK「いいから! 安西は怪我もしてるし、今は体を休めないと!」

安西「でも、一人で行動するのは……!」

ギャルJK「いいから! 早朝ならまだ大丈夫でしょ! 様子見てくるだけだから!」

安西「わ、分かりましゅた……」

ギャルJK「行ってくるわ!」

66: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)11:37:51 ID:bQn
ギャルJK(安西があそこまでしてくれたんだし! 今はあたしが……!)

皆さん、おはようございます!

ギャルJK「……!」

三日目の朝ですねぇ!
殺し合いを楽しんでいますかぁ?

ギャルJK「……マジむかつく」

早速昨日の脱落者を発表……したかったのですが、悲しいお知らせでぇす!

昨日の脱落者はいませんでしたぁ!

ギャルJK「あの男……」

つまらないですねぇ! もっと殺し合って下さい!
持久戦ほど辛いものはありませんからねぇ~!
早く勝負をつけた方が楽ですよぉ?
なんせ死因はいっぱいありますからねぇ! 感染症、野生動物の襲撃、餓死、どれも苦しいものです!

短期決戦の方が遥かに楽ですよ!
それでは素敵な殺し合いを!

ギャルJK「短期決戦……か」

ギャルJK「やっぱり、人殺しなんて……!」

67: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)11:42:23 ID:bQn
ギャルJK「安西~? 動物はとれなかったけどまた魚がかかってたよー!」

ギャルJK「しばらくは魚生活だね~! マジベジタリアン! あ、いやベジタリアンは野菜と果物か……」

ギャルJK「……安西?」

安西「ギャル子しゃん……逃げて……!」

ギャルJK「……!!」

ヤンキー「もうゆるさねぇからなぁ……!」

68: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)11:51:31 ID:bQn
ギャルJK「あんた昨日の……!!」

ヤンキー「なんだよ、リベンジしに来ただけだよ……!」

ヤンキー「お礼参りだよ!」

ヤンキー「食料は大切だからなぁ! 俺が料理にしてやるよ!」

ギャルJK「あんた、安西のナイフを……!」

ヤンキー「こいつ相当ダメージきてるぜえ? 抵抗もしねぇし、ぶっ倒れてやがった!」

ギャルJK「……え!?」

安西「しゅ、しゅみましぇん……。熱があるみたいでしゅ……」

ギャルJK「そ、そんな……!」

死因はいっぱいありますからねぇ!

ギャルJK「……ッ!」

ヤンキー「まあ、さくっと殺して、お前らの持ち物いただくぜ!」

ギャルJK(鎖鎌はあそこに……! どうすれば……!)

ヤンキー「さあ、死ね!」

ギャルJK「やめてっ!」

69: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)11:59:33 ID:bQn
パァン!

ギャルJK「……ッ!?」

ギャルJK「……え?」

ヤンキー「……ッ」

安西「……ッ!?」

安西(乾いた音、これは……)

ギャルJK(銃声と……)

ギャルJK(撃ち抜かれたヤンキー男……!?)

ヤンキー「……」

安西「ひ、ヒトゴロシ……!?」

ギャルJK「き……」

ギャルJK「きゃああああああああッ!!」

安西「タスケテェ! ヒトガシンダ!!」

??「君たち、大丈夫かい!?」

ギャルJK「……!?」

??「怪我はないか!?」

安西「だ、誰でしゅ……」バタッ

ギャルJK「あ、いや……! 安西ィ!」

70: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)12:21:43 ID:bQn
数時間後、とあるトーチカ跡

??「大変だったね……。落ちついたかい?」

ギャルJK「あの、あなたは……」

??「ああ、自己紹介がまだだったね……。俺は『マジメ』だ。大陸灘高校の生徒会役員だ。よろしく」

ギャルJK「マジメくん……。あたしは……」

マジメ「ギャル子さんだろ? 彼の叫びを聞いたよ」

ギャルJK「……」

マジメ「彼、安西君は、怪我による感染症の疑いもあるようだ」

ギャルJK「え……!?」

マジメ「安心してくれ。ここは俺たちの拠点だ。仲間もいる」

マジメ「仲間の一人に看護科から参加している女の子がいるんだ。彼女が看てくれているし、幸い、初日に投下された医薬品を持っている。彼女の知識があれば安心だ。痛み止めや解熱剤、ワクチンも入っていた」

ギャルJK「そっか……ありがと……」

マジメ「ショッキングな場面を見せてしまい申し訳ないが……ああするしかなかったんだ。許してくれ」

マジメ「朝の物資が投下されて、我々のチームは投下地点に向かっていた。その最中、襲われる君たちを見つけたから……」

マジメ「これは戦争だ。ああするしかなかった……」

ギャルJK「いや……。助けてくれて、ありがと……」

71: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)12:36:08 ID:bQn
??「大尉……」

ギャルJK「……?」

マジメ「ああ、喪女子くん……。彼の容態は?」

喪女子「安定しています。今は眠っています……。しばらくは安静にした方がいいです」

マジメ「そうか。ありがとう」

ギャルJK「……」

マジメ「ああ、この子がさっき説明した看護科の女の子だ」

ギャルJK「あ、そうなんだ……」

喪女子「初めまして、喪女子です……」

ギャルJK「ギャル子だよ……安西の治療をしてくれて、ホントにありがとね」

喪女子「いえ、私にはこれくらいのことしかできないので……」

マジメ「引き続き安西君を頼む」

喪女子「了解しました……」

ギャルJK「……」

マジメ「それで、どうする?」

73: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)12:54:49 ID:bQn
ギャルJK「……?」

マジメ「あんなことをしておいて言える立場じゃないが……俺は人殺しなんかしたくない」

マジメ「SKSカービン……ソ連時代の半自動小銃だ。ベトナム戦争ではベトコンや北ベトナム軍が使っていた。狩猟用にも使われる。こいつを手にした瞬間、俺の手は汚れてしまったんだ」

マジメ「だが、これは殺し合い……ああするしかなかった!」

マジメ「初めて人を撃って、殺した……。まだ手が震えているよ……」

ギャルJK「ごめん……。あたしのせいで、マジメくんに……」

マジメ「いや、謝る必要はない。いずれ我々と敵対する人間と戦闘が起こるはずだ。遅かれ早かれこうなっていた……」

マジメ「俺は、できれば殺し合いなんてしたくない……!」

マジメ「だから、同じような仲間と協力して他の脱出方法を探っている」

マジメ「必ず、他に方法があるはずだ!」

74: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)13:10:18 ID:bQn
マジメ「俺と喪女子くん、それから今は見張りと探索に出ている田中くん、斉藤くん、小笠原くんの五人チームだ」

マジメ「ここにはある程度の備蓄食料もあったし、医薬品もある。採集や物資調達を怠らなければ困窮することはないだろう」

マジメ「他に参加者がどれほどいるかはわからないが、仲間は多いほうがいい」

マジメ「君たちも、うちのチームに入らないか?」

ギャルJK「……」

75: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)13:19:14 ID:bQn
ギャルJK「……そうだね」

ギャルJK「きっと、そうした方がいいと思う」

ギャルJK「あたしたちも、殺し合いなんかしたくない」

ギャルJK「だから、他に方法があるならそっちにかけたい」

ギャルJK「安西も、きっとそう言ってくれると思う」

マジメ「ありがとう」

マジメ「では、改めてよろしく頼むよ」

マジメ「マジメカンパニーにようこそ」

ギャルJK「……」

マジメ「ギャル子くんと安西くん、今から君たちはうちの二等兵だ」

ギャルJK「……?」

マジメ「大尉である俺の指揮のもと、活躍してくれることを願う」

マジメ「……敬礼!」

ギャル子「え……? あ、うん……」

77: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)13:30:07 ID:bQn
ギャルJK(そうして、あたしたちはマジメくんのチームと合流した)

ギャルJK(殺し合い……冗談と思っていたことが現実となってしまった)

ギャルJK(あの光景はトラウマとしてあたしの中に刻み込まれた)

ギャルJK(でも、目の前で人が死んじゃったのに何故か冷静なあたしもいて)

ギャル子(あたしも、徐々に汚れてきている……。それを肌で感じるけど、目を逸らしている)

ギャルJK(こんなあたしは、果たして生還できるのだろうか)


to be continued?

78: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)13:31:34 ID:bQn
とりあえず休むわ

79: 名無しさん@おーぷん 19/08/26(月)13:37:44 ID:VDp
ボーイミーツガールはやっぱりおもしろいドミ

81: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)01:01:04 ID:nER
どうしよう! 再開します!

82: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)01:32:06 ID:nER
数日後

デブメガネ安西「ん……。おはようございましゅ……」

安西「……」

安西(トーチカ跡の救護室。僕は数日前に怪我による感染症で熱を出し倒れた)

安西(ヤンキーから復讐されあわや危機一髪だったけど、偶然通りかかった御一行に助けられた)

安西(マジメ君……いや、『マジメ大尉』が率いるマジメカンパニーに救われ、看護科出身だという喪女子さんの手当てのもと、ようやく全快まで回復した)

安西(その後、ギャル子しゃんと話し合い、僕たちもこのカンパニーに合流することとなった)

安西(正直、少し安心している。こんな極限状態では仲間が複数いた方が安全だ)

安西(きっと、僕たちは生き残ることができる……気がしゅる!)

83: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)01:38:23 ID:nER
喪女子「安西さん……具合はどうですか?」

安西「あ、喪女子しゃん……! おかげさまで、もう痛みも熱もひきましゅた!」

喪女子「それは良かったです……」

安西「僕もみなしゃんのために、今日から働きましゅよ!」

喪女子「……無理はなさらないで下さい」

安西「もちろんでしゅ……! ありがとうございましゅ!」

安西(ああ、喪女子しゃんマジ天使! 白衣の天使でごじゃる! お近づきになりたいでしゅ!)

安西「……ところで喪女子しゃん」

喪女子「……はい?」

安西「なぜマジメ君は、大尉と呼ばれているのでしゅか?」

84: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)01:43:28 ID:nER
喪女子「……」

安西「僕らを二等兵だとか階級に分けて、まるでこれは軍隊でしゅ……」

喪女子「それは……」

マジメ「安西二等兵」

安西「ひゃ、ひゃい!」

マジメ「体調はどうだい?」

安西「ひゃ、ひゃい……! 無事に回復しましゅた!」

マジメ「そうか、それなら今日から我々の任務に参加してもらう」

安西「ひゃい! 了解でしゅ!」

マジメ「朝食をとったら投下物資を確保しに向かうぞ」

安西「ひゃい!」

喪女子「……」

85: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)01:53:05 ID:nER
任務中

田中「大尉、投下地点の周囲に人影はありません」

斉藤「こちらもクリアです」

小笠原「奴らはいねぇみたいだな」

マジメ「了解。物資にコンタクトするぞ」

安西「……」

安西「ギャル子しゃん」

ギャルJK「ん? どした安西」

安西「ギャル子しゃんは、どう思いましゅか?」

ギャルJK「何が?」

安西「大尉……いや、マジメ君のことでしゅ。変な階級で僕らを呼んでましゅし、まるでこれじゃ軍隊でしゅ」

ギャルJK「あー、にとーへーとかいってるやつ? ま、いーんじゃね?」

安西「……」

ギャルJK「たしかに上下関係はあんま気にくわないけどー、マジメくんとあたしらの考えは一緒だし」

安西「そーでしょーか……」

ギャルJK「そだよー。それに、今のとこ平和に暮らしてんじゃん! この調子でなんとかなるっしょ!」

安西「しょうだといいんでしゅが……」

ギャルJK「ほら行くよー」

安西「……」

86: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)02:01:40 ID:nER
安西(僕の違和感が、ただの気のせいだといいんでしゅが……)

日没後

小笠原「それでよー、田中の奴がよー」

田中「ぐ、軍曹……。それは二人だけの秘密って!」

小笠原「なんだよいいじゃねーか!」

斉藤「軍曹、あなたにはデレカシーがなさ過ぎる」

マジメ「そうだぞ。このような状況下では……」

安西「……」

ギャルJK「あのさーみんな堅すぎ! 面白い話しよーよ!」

キャハハ……!

安西「……」

安西(確かに、ここに来て生活水準はグッとあがりましゅた……)

安西(豊富な備蓄食料、医薬品、そして……)

安西(マジメ君の、あのライフル……)

安西(このグループで銃器を持っているのは、マジメ君だけ……)

安西(そして、そんな彼の階級が一番上……)

安西(どうか、このまま平和な日々が……)

87: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)02:19:41 ID:nER
数日後

安西(どうやら、僕の心配は杞憂だったのかもしれましぇん)

マジメ「……それで、例の脱出計画についてだ」

小笠原「奴らが投下する物資もいつまで続くかわからねぇ」

斉藤「はい。もうしばらくで、実習から一週間になります」

田中「殺し合いの進展によっては、向こうの機嫌で物資の補給が途絶えるかもしれませんし」

喪女子「……医薬品にも限りがあります」

ギャルJK「なら、できるだけ早いうちに脱出しないとね!」

マジメ「そうだ。その脱出方法についてだが……」

マジメ「ここに来た時に拾った島の地図だ。我々のトーチカは恐らくここ。それで……」

マジメ「この近くに、小さな砂浜と作業小屋がある……ここだ」

ギャルJK「敵がいるんじゃね?」

小笠原「いや、先日偵察に行ったら誰もいなかった」

斉藤「ですが、アウトロー……無法者集団が見つけるのも時間の問題かと」

ギャルJK「アウトロー?」

マジメ「我々の他にもグループで行動している者がいるようだ。奴らは単独行動の参加者を手当たり次第に殺すか、もしくは奴隷にしている。奴らをアウトローと呼んでいる」

小笠原「複数は銃器を持ってやがる。厄介な相手だ」

マジメ「それでだ。その作業小屋に小型船艇があった」

ギャルJK「……!」

88: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)02:38:30 ID:nER
ギャルJK「船? やったじゃん!」

マジメ「ああ。だが……残念なことに、燃料は入っていたがバッテリーが抜かれていた」

ギャルJK「マジかー」

マジメ「奴らがこの実習を単なる殺し合いと捉えているならば、わざわざ船を用意しないはずだ」

ギャルJK「……確かに。だったら、ゲーム感覚で遊んでるってこと?」

マジメ「遺憾だが、恐らくそうだろう。脱出手段をあえて残しておいて、殺し合いに拍車をかけるつもりだ」

ギャルJK「ムカつくけど、だったらその手段を使ってやらない手はないっつーか」

小笠原「ゲームなら、抜かれたバッテリーが島のどこかにあるはずだぜ」

マジメ「ああ……。従って、我々の優先任務は船のバッテリーを見つけること」

マジメ「単独行動は危険だ。俺と小笠原軍曹、斉藤伍長と田中一等兵、それからギャル子二等兵と安西二等兵の二人組でそれぞれ探索することにする」

ギャルJK「よっしゃ! ちゃっちゃと見つけて早く脱出しよっ!」

小笠原「ああ!」

安西(そう。軍隊式にした方が統率がとれるし、士気もあがる! 問題はなかったんでしゅ!)

マジメ「それでは、明日からその作戦を行動に移すぞ。喪女子衛生兵は基地で見張りと雑務を頼む」

喪女子「了解です……」

マジメ「それでは、解散!」

ゾロゾロ

マジメ「喪女子くん、少し話がある……」

安西「……?」

89: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)02:51:02 ID:nER
ギャルJK「いやー、やっぱここに来て正解だったわー!」

安西「そうでしゅね!」

ギャルJK「みんなとなら心強いし、協力して脱出できんじゃね?」

安西「はい、野宿してた日々が嘘のようでしゅよ!」

ギャルJK「そだねー。ここには何故か水も通ってるし、シャワー使えるし、トイレもあるしぃ! 快適快適~」

小笠原「おい、シャワー空いたぞ」

ギャルJK「あいよー。じゃ、あたし先浴びてくるわー」

安西「了解でしゅ!」

安西「……」

安西「うんこしたいでしゅ。トイレトイレ……」

ホラ……モット……シ

安西「……?」

安西(基地の片隅から、何か聞こえる……?)

ソーダ……ソ……

安西「あの声は……」

ヤッ……ホラ……

安西「声が聞こえるのは……ここ?」

ヤッ……ン……

安西「ここは………マジメ君の、部屋」

90: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)02:51:42 ID:hli
エロ展開かな?

92: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)03:01:11 ID:nER
斉藤(ここは大尉の部屋です。許可のない者は入らないように。用のある者は事前に私に申請して下さい)

安西(斉藤さんはあーいってましたが……)

ン……ヤッ……

安西(明かりが漏れてる……? 隙間が空いてる?)

ホ……モッ……ヤメッ……

安西「喪女子さんの、声……!?」

安西(喪女子さんに何かあったら……!)

安西(心苦しいでしゅが、少しだけ失礼して……)

ソーッ

安西(……)

ア、イヤ……

安西「……ッ」

やめて……!

安西「……!?」

マジメ「おら、もっとしゃぶれよオラ!」ガシッ

喪女子「ン゛ッ……! オ゛ッ……!」ジュブ

安西「……ッ」

安西(あ、あ、あ……)

93: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)03:18:08 ID:nER
安西(あ、あ、ア、ア……)

マジメ「もしかしてお前、あのデブに気移りしたか?」

喪女子「そ、んなこと……!」

マジメ「お前は俺の奴隷だ、喪女子くん……!」

喪女子「オ゛ッ! オ゛エ゛ッ……!」ジュブ

マジメ「ったく、お前はいつまでたっても無能だな!」

マジメ「俺がこんなにも指導しているのに!」

マジメ「もういい、ほら、下を出せ」

喪女子「……!」

マジメ「自分で言ってみろ」

喪女子「……いや!」

マジメ「言ってみろ、『大尉の太いおちん○んをぶち込んで下さい』ってな!」

喪女子「できません……!」

斉藤「命令の拒否は銃殺刑だぞ、衛生兵……」

安西(さ、斉藤さん……!?)

斉藤「大尉……。今夜は代わりに私が慰めを」

マジメ「お前はそこで見ていろ」

マジメ「さあ、言え!」

94: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)03:22:30 ID:nER
喪女子「……ィヤ」

マジメ「死にたいか?」

喪女子「……ヒッ」

喪女子「……さい」

マジメ「聞こえない」

喪女子「……下さい」

マジメ「もっと大きな声で!」

喪女子「大尉の太いおちん○んを私の雌穴にぶちこんで下さい!」

マジメ「そこまで言えとは言ってない!!」ズブ

喪女子「オ゛オ゛ッ゛!」ニュプ

パンパンパン

喪女子「オ゛ッ! オ゛ッ! ンオン゛ッ!」

斉藤「……!」

マジメ「ホラホラ! もっと声を出せ!」

喪女子「アッ゛! アッ゛! アッ゛!」

安西「……ア」

安西(そんな……)

安西(いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ
いやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだ)シコシコシコシコ

95: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)03:30:55 ID:nER
マジメ「ホラ……! 今日はゴム無し危険チ○ポでたっぷり中出ししてやるよお!」

喪女子「ンオ゛ッ! あ゛か゛ち゛ゃ゛ん゛て゛き゛ち゛ゃ゛う゛!」

斉藤「大尉! それだけは!」

マジメ「黙れっ! 死にたいのか!」

マジメ「オラ孕め! 孕め!」

喪女子「ンオ゛ッ! シュゴイ! シュゴイチンポッ!」

ズンズンズン

マジメ「あああ゛! 出すずオラ孕め!」

喪女子「あ゛あ゛オ゛ッ! イグゥ゛! イグゥ゛!」

マジメ「出るッッッッッッッッッッ!」

ビュ、ビュウウウウウウウウウウウウ!

喪女子「ン゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!」

安西「……ウ゛ッ!」ぴゅる

97: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)03:40:42 ID:nER
安西(そんな、そんな……!)

安西「……最低だ」ドロッ

翌朝

マジメ「よし、それでは昨日の通りバッテリーを見つけるため探索行動に出る」

マジメ「喪女子衛生兵、何かあったら信号弾を打ち上げてくれ」

喪女子「……はい」

マジメ「それでは、各自行動開始だ。危険があった場合はただちに退避。発煙筒もしくはホイッスルなども活用してくれ」

ギャルJK「よーし、じゃー行こっか安西!」

安西「……」

ギャルJK「安西? どしたー?」

安西「あの……うんち!w」

ギャルJK「は? 漏らす前に行っとけ行っとけー!」

安西「しゅみましぇん……!」

安西「……」

98: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)03:46:06 ID:nER
基地内

安西「……喪女子しゃん」

喪女子「……ひっ!」

安西「僕でしゅ、安西でしゅ」

喪女子「あ、安西さん……。何か……?」

安西「あの……」

安西「喪女子しゃん、一緒に逃げましょう!」

99: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)04:03:14 ID:nER
喪女子「……え?」

安西「あの、しゅみましぇん……! 昨夜、しょの……見ちゃったんでしゅ!」

喪女子「……!」

安西「あんなこと、許されるはずがありましぇん!」

安西「あんな人だったなんて! このままじゃ喪女子しゃんが!」

喪女子「……」

喪女子「……いいんです」

安西「えっ」

喪女子「彼には、逆らえないんです」

安西「そ、しょれは……」

喪女子「彼に逆らったら殺される。私は死にたくないんです……」

喪女子「彼と出会った時、私は命を救われたんです……」

100: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)04:04:19 ID:nER
安西「でも……! だからって……!」

喪女子「伍長……斉藤さんもそうです。彼に救われました。だから逆らえない」

喪女子「彼は巧みな話術とカリスマ性とその頭脳で、私たちを配下にしました」

喪女子「確かに、私はあんなことされたくありません……」

喪女子「でも、アウトローに捕まって大人数の汚い男の慰みモノになるよりかは、それで弄ばれて殺されるよりかは、ここにいた方がマシなんです……」

安西「しょんな……」

喪女子「だから、昨夜見たことは忘れて下さい……」

安西「でも……!」

喪女子「お願いです……!」

安西「しょんな……!」

ギャルJK「安西! ここにいたんだね!」ダッ

安西「ギャ、ギャル子しゃん!?」

ギャルJK「マジヤバみって感じ!」

安西「……?」

ギャルJK「アウトローが攻めて来たんだよ……!」

101: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)04:17:30 ID:nER
安西「しょ、しょんな……!」

ギャルJK「なんか鉄砲とか持ってるし! ヤバいから基地で戦えって!」

安西「あ、あわわわ……!」

ギャルJK「だいじょぶ! マジメくんがひきつけてくれてるから、あたしたちは基地に隠れて、奴らをおびき寄せて接近戦で戦えって言ってた!」

安西「そ、しょんなこと言われても!」

ギャルJK「確かに怖いけど、やらなくちゃやられるんだよ! 死にたくないでしょ!?」

安西「ひゃ、ひゃい!」

ギャルJK「なら、そのナイフを手に取って! それから、これも!」ポイッ

安西「これは?」

ギャルJK「発煙筒! なんでも使えるもんは武器に使って!」

安西「発煙筒は武器じゃありましゃん!」

ギャルJK「モップの柄でも、スコップでもそこら辺にあるでしょ! こうなったらヤケだよ!」

安西「ギャル子しゃんは!?」

ギャルJK「あたしはこれがあるからさっ!」

安西「鎖鎌……」

ギャルJK「じゃあ、あたしはちょっと様子見てくるわ!」ダッ

安西「あ、ギャル子しゃん! 死亡フラグでしゅよ!」


103: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)04:28:20 ID:nER
安西「くしょ……! 殺しなんて!」

安西「でも、やらなくちゃやられる……!」

安西「ナイフ……これだけじゃ……」

安西「そうだ……このモップの先っぽを外して、ナイフをテープで固定して……!」ガサガサ

安西「狭い空間だと槍は不利でしゅが、相手は銃器持ち! 刺突、一閃できる槍の方がリーチを稼げる!」

安西「喪女子しゃん……!」

喪女子「……!」

安西「喪女子しゃんは、何か持っていましゅか?」

喪女子「いえ、私は……」

安西「なら、大尉……マジメくんの部屋に隠れていてくだしゃい! 確かあそこには鍵もあるんでしょう?」

喪女子「でも……」

安西「衛生兵が死んだら、誰が手当てすりゅんでしゅか!」

喪女子「……!」

喪女子「は、はい……!」タッ

安西「……行きましたか」

安西「動けないデブはただのデブ……。好きな女のために死ねるなら本望でしゅ!」

安西「いつでも、来やがれ……!」

104: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)04:35:42 ID:nER
アウトロー「ガッ!」バタッ

マジメ「小笠原! 他の隊員は!?」ダンダン!

小笠原「全員基地に戻ったぜ!」

アウトロー「ヒャッハー!」

マジメ「リロード!」

小笠原「クソが!」ピン!

アウトロー「グレネードだァ!?」boom!

小笠原「マジメも基地に戻るぞ!」

マジメ「ああ!」

小笠原「最後の一個だ!」ピン

小笠原「行くぞ!」


105: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)04:50:16 ID:nER
ギャルJK「マジメくん!! だいじょぶ!?」

マジメ「ああ! 俺はトーチカの二階から狙撃する! お前らはここで防衛しろ!」

マジメ「俺の弾も長くはもたない! 奴らはまだ10人ちょっといる! いいか、小笠原とここを守れ!」

ギャルJK「田中くんと斉藤ちゃんは!?」

マジメ「見失った!!」ダッ

ギャルJK「……そんな」

小笠原「ようギャル! このスイッチを基地内の仲間に渡してきてくれ!」

ギャルJK「これは!?」

小笠原「この基地の周囲に爆弾をしかけてある! 相手にせめられた時は敵もろとも道連れにするって話だ!」

ギャルJK「これをひねればいいの!?」

小笠原「ああ! 地雷をしかけてきたが、もし俺がいるこの防衛戦が万が一にも突破されそうな時には、俺は基地内に飛び込んでホイッスルを鳴らす! 音を聴いたらそのスイッチのノブを時計回りに思い切り回せ!」

小笠原「基地内の奴にそう伝えて、やらせてくれ!」

ギャルJK「わかった! 頼んだからね!」ダッ

小笠原「塹壕戦はスコップ使いの俺に任せな!」

106: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)05:04:08 ID:nER
ギャルJK「安西!」

安西「うわあああ!」シュッ

ギャルJK「うわ、危なっ! ちょ、あたしだよ!」

安西「あ、ギャル子しゃんしゅみましぇん!」

ギャルJK「喪女子ちゃんは?」

安西「マジメくんの部屋に隠れてもらいましゅた!」

ギャルJK「そっか、じゃあ安西にこれを託すわ!」ヒョイ

安西「こ、これは!?」

ギャルJK「爆弾のスイッチ! もし突破されてあいつらが基地内に来ようとしたら、小笠原くんがホイッスルを吹くから! その音が聴こえたらそれの取っ手を時計回りに思い切り回して!」

安西「ひゃ、ひゃい!」

ギャルJK「じゃあなんだっけ……幸運を祈るってやつ!?」タッ

安西「……ギャル子しゃん!」

安西「この戦いが終わったら……!!」

安西「って、ギャル子しゃん!?」

ギャルJK「任せたよ、安西……!」

アウトロー「ヒャヒャヒャヒャ! クキキ!」

ギャルJK「……!!」

アウトロー「死ね!」スッ

ギャルJK「……!」ブォン!

アウトロー「鎌ッ!?」ザシュ

アウトロー「ガハッ!!」

ギャルJK「もう突破されてんじゃん! 小笠原くんなにやってんの!」

107: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)05:16:29 ID:nER
マジメ「クソッ!」ダンダン! カチ

マジメ「弾が切れた! もうない!」

マジメ「小笠原ァ! 早く爆弾を!」

マジメ「小笠原ァ!?」

小笠原「……くっそ!」

アウトロー「ンン゛ッ!」ギリギリ

小笠原「オラァ!」ブン

アウトロー「ア゛ッ!」バタッ

アウトロー「死ねェ!」ダンダン!

小笠原「……ッ!」シュッ

アウトロー(スコップが飛んで……)

アウトロー「ガハッ!」ゴン

小笠原「お前の拳銃借りるぜ!」バン!

アウトロー「う゛っ!」バタッ

アウトロー「うわあああ゛!」

小笠原(やっべ!)

アウトロー「ンン゛ッ!?」ザシュ

小笠原「……!?」

ギャルJK「小笠原くん、ホイッスル鳴らせってマジメくんが!」ブォンブォン

小笠原「……ったく!」

小笠原「遂に終わりか……!」

108: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)05:23:23 ID:nER
小笠原「数には敵わなかったかァ!」

ギャルJK「よく頑張ったよ、ここまで……!」

小笠原「あぁ……!」

ギャルJK「行くよ!」

小笠原「あぁ……!」

小笠原「……」

小笠原「地獄で会おうぜ!」

ピィイイイイイイイイイイイイイイイイイ!

安西「……!!」

安西「クソ……! どうにでもなれ!」スッ

アウトロー「見つけたァ!」

安西「!?」

アウトロー「死ねェ!」ブン!

安西「う、うわああああ!」シュッ

アウトロー「なっ!?」ザシュッ

安西「うわああああ!」ドドッ

アウトロー「あああああッ!」ドテッ

安西「ふぅ、ふぅ、ふぅ……」ヨロッ

安西「冥土の土産に……」

安西「持っていけぇ……」カチッ

ドッ、ドオオオオオオオオオオオオオオオオン!

109: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)05:34:21 ID:nER
ドドドドドドドドドドドドドドドドドド!

安西「……」

パラパラパラパラパラ…… ガッ、ガゴッ!

安西(死んだのか、僕……)

安西(いや、まだ……)

安西「ゴホッ、ゴホッ!」

安西「い、い゛き゛て゛る゛!」ガラガラ!

安西「はあ、はあ、はあ……」

安西「敵は、いない……?」

安西「基地の中、コンクリートの瓦礫で……」

安西「あ、光が……」ヨロヨロ

アンザイ、アンザイ……!

安西「ギャル子しゃん……!?」

ここ、ちょっと助けて……!

安西「ギャル子しゃん! 大丈夫でしゅか!?」

ギャルJK「ここ……! 瓦礫の中!」

安西「今助けましゅ!」

ガラガラ、ガラガラ

ギャルJK「はああーっ! 死ぬかと思った! マジぱないっ!」

安西「ギャル子しゃん、怪我は!?」

ギャルJK「ちょっと痛むけど、多分骨は折れてない! だいじょぶ!」

安西「良かった、良かった……! 良かったでしゅ!」

ギャルJK「こら安西、くっつくなし!」

110: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)05:44:06 ID:nER
ギャルJK「とりあえず外に出よ!」

安西「しょ、しょうでしゅね!」

ギャルJK「……」

安西「これは……」

ギャルJK「随分と派手に吹き飛ばしたって感じ……。バラバラ……」

安西「敵はいないみたいでしゅね……」

ギャルJK「そうだ……! マジメくん!? 小笠原くん!?」

安西「喪女子しゃん!?」

小笠原「ったく、相変わらず派手にやりすぎたなァ」

ギャルJK「小笠原くん!?」

小笠原「おう、死に損ないだ」

喪女子「皆さん……!」ヨロッ

安西「喪女子さんも……! ほんとに、ほんとによかったでしゅ!」ブワッ

小笠原「あいつも、悪運はつえーみてーだな」

ギャルJK「……!?」

マジメ「君たち、怪我はないか?」

ギャルJK「マジメくん! 良かった、みんな無事だったんだね!」

小笠原「いや……」

ギャルJK「……!?」

安西「そういえば、田中さんと斉藤さんは……」

小笠原「……」

小笠原「あいつらは、死んだ」

111: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)05:51:39 ID:nER
ギャルJK「えっ……」

小笠原「俺たちと田中と斉藤のグループはあれからすぐに合流した。だが、銃声を聞いてかけつけた時には既に田中は撃たれて死んでいた……」

安西「しょ、しょんな……」

小笠原「斉藤を連れて一緒に逃げようとしたが、奴も流れ弾にやられた……」

ギャルJK「そんなことって……!」

小笠原「すまねぇ……」

マジメ「すまない。俺しか銃器持ちはいなかったんだ……」

喪女子「お二人のご遺体は……」

小笠原「この近くだ。10分もかからない」

喪女子「せめて、弔ってあげたいです……」

ギャルJK「そうだね……」

安西「そう、しましょう……」

マジメ「……そうだな。ちょうどスコップがある」

マジメ「二人を埋葬しにいこう……」

113: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)06:14:10 ID:nER
埋葬後

喪女子「うっ、うっ……」ポロポロ

ギャルJK「だいじょぶだよ、喪女子ちゃん……」

小笠原「……」

安西「……」

マジメ「……では、基地に戻るぞ」

小笠原「……おい」

マジメ「……?」

小笠原「戻ってどうすんだよ、もう基地なんてないじゃねぇか」

マジメ「……崩壊していない僅かな部屋が残っている。ここで野ざらしになるよりマシだろう」

小笠原「お前よ……最初から思ってたんだ俺は!」

マジメ「……?」

小笠原「お前は、わけわかんねぇ軍隊ごっこで悦に浸ってただけじゃねぇか!」

小笠原「自分だけ銃器を独占して、その力によって上に立って権力を振りかざし!」

小笠原「反対意見は押さえつける! お前がしたかったのはただの軍隊ごっこだ!」

小笠原「斉藤や喪女子は逆らえなかったかもしんねぇ! だが俺は違う! お前に借りはねえ!」

小笠原「お前がしてたのはただの軍隊ごっこで、仲間の死はただの情報! 自分の名誉のための餌だ!」

114: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)06:22:57 ID:nER
安西「小笠原さん……」

小笠原「俺はもうついていけねえ!」

小笠原「俺は俺で脱出方法を探る!」

ギャルJK「そんな……!」

小笠原「わりぃが今から俺は抜けるぜ!」

マジメ「……小笠原軍曹。口の利き方に気をつけたまえ」

小笠原「何が軍曹だ! 俺はもう軍曹でもなんでもねぇ!」

マジメ「軍曹、これは命令だ。今すぐ発言を取り消すんだ」

小笠原「おう、やってみろよ! こんどは何だお得意の独房行きか? もう独房は吹っ飛んだけどな!」

マジメ「軍曹、これで最後だ。その減らず口を今すぐやめろ!」スチャッ

ギャルJK「ちょっと、二人ともやめなって!」

安西「た、大尉! 拳銃をしまってくだしゃい!」

115: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)06:29:50 ID:nER
小笠原「……そうだよ」

マジメ「……?」

小笠原「てめぇ、ライフル持ってたくせに、そんな拳銃までも隠し持ってたんだな!」

マジメ「……」

小笠原「それを俺でも田中でも斉藤でも、他の奴に渡しておけば二人は死んでなかったかもしれねぇのに!」

安西「……!」

ギャルJK「……!」

小笠原「もうお前には、ついていけねぇ」スッ

マジメ「そうか」

ギャルJK「ちょっと……!」

安西「大尉、まずいでしゅよ!」

マジメ「……」

マジメ「軍曹……いや、小笠原くん」

小笠原「……?」

マジメ「君に言っておきたいことがある」

小笠原「……何だよ」クルッ

マジメ「……」

マジメ「……死ね」


パァン!

118: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)06:39:04 ID:nER
ギャルJK「……ッ」

安西「……なっ!?」

喪女子「っ……!?」

小笠原「て、めぇ……!」

小笠原「……ッ」バタッ

ギャルJK「きゃ……」

喪女子「きゃああああああああああああああ!」

安西「あああファック! ファック! なんてことを!」

安西「なんてことをしてくれたんでしゅか!」

マジメ「黙れ! 貴様も死にたいか!」

安西「……」

安西「そうだ……。あんたはそういう人だった゛ッ゛!」

ギャルJK「……!?」

喪女子「……!」

マジメ「何のことだ」

安西「あんたは……人の皮を被った悪魔だッ゛!」

ギャルJK「え……!?」

安西「こいつは、喪女子しゃんと斉藤しゃんを性の奴隷にしていたんでしゅ!」

119: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)06:51:33 ID:nER
ギャルJK「そんな……嘘でしょ!?」

安西「嘘じゃありましぇん! 僕は見てしまったんでしゅ! 喪女子しゃんが襲われているところを!」

安西「斉藤しゃんもいました! 斉藤しゃんは『今夜は代わりに私が』と言っていた!」

安西「その『今夜』は一体いくつあったんだッ゛!」フルフル

ギャルJK「そんな……」

安西「今日、喪女子さんからそれを聞いたんでしゅ! どうすればいいかわからなかった! そこにアウトローが攻めてきて……!」

ギャルJK「それ、ほんとなの……?」

喪女子「……」

マジメ「彼女に聞くまでもない」

ギャルJK「……!?」

安西「認めましゅたね……!?」

マジメ「知られてしまったならしょうがない」

マジメ「貴様ら二人もここで死んでもらう」スッ

ギャルJK「……!!」

安西「しょーやって、喪女子さんや斉藤さんを力づくで従えてきたんでしゅね! 許せない!」

マジメ「うるさい黙れ! 死ね!」スッ

ギャルJK「あ、安西ィ!」

安西「……ッ!」

安西(ここで、終わりか……!!)

喪女子「いやあああああああああああああああ!」

パァン

120: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)07:04:25 ID:nER
安西「……ッ!」

ギャルJK「……ッ」

マジメ「……」

安西「あれ……。ど、うして……」

マジメ「貴様……」

マジメ「やりやがった、な……!」

マジメ「……」バタッ

ギャルJK「え……」

安西「どうして……!」

安西「喪女子しゃん!!」

喪女子「もうやめて……! もう嫌ァ!」スッ

121: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)07:05:10 ID:nER
ギャルJK「その拳銃……」

安西「どこから……!」

喪女子「もう嫌、嫌嫌嫌嫌いや嫌嫌嫌ァ!」

喪女子「こんな世界ィ!」

ギャルJK「喪女子ちゃん落ち着いて! その拳銃を下ろして!」

安西「そうでしゅ! 喪女子ちゃんは悪くない!」

ギャルJK「ほら、深呼吸して? ゆっくり手を下ろして? 大丈夫だから、何も怖くないから!」

喪女子「私は……何で……!」

喪女子「何のために……!」

安西「ダメでしゅ喪女子さんッ゛!」

喪女子「こんな世界ィ゛!」

ギャルJK「お願い喪女子ちゃん銃を下ろして!」

喪女子「生きてても意味ないじゃない゛ッ!」

安西「喪女子しゃああああああああん!」

パァン

122: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)07:09:05 ID:nER
喪女子「……ッ」

喪女子「……」バタッ

安西「……ァ」

ギャルJK「……ッ」

安西「そんな……」

安西「そ゛ん゛な゛あ゛……!」

安西「どうして、自分で……!」

安西「自分で死ぬ必要があるんだよお゛お゛!」ガクッ

ギャルJK「……ッ」

ギャルJK「……」ガクッ

123: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)07:19:48 ID:nER
数分後

安西「う゛ッ、う゛ッ……!」

ギャルJK「安西、三人も埋めてあげよ……」

安西「……はい゛ッ!」スッ

数十分後

安西「ギャル子しゃん……もう僕、何も信じられないでしゅ」

ギャルJK「……安西」

安西「……?」

ギャルJK「あたしは、何があっても安西を裏切ったりしない」ギュ

ギャルJK「……あたしの目を見て、安西」

安西「ギャル子しゃん……」

ギャルJK「あたしは、安西と一緒に絶対に生き残るから!」

ギャルJK「だから、安西も約束して……!」

安西「ギャル子しゃん……」

安西「はい゛ッ! 僕も死ぬまでギャル子しゃんと一緒でしゅ!」

安西「だから、絶対に生き残りましょう……!」

ギュッ

ギャルJK「……絶対だからね」ギュッ

安西「はい……」

ギャルJK「……」

安西「……」

ギャルJK「使えそうな武器と弾薬を拾って、ここを出よ?」

安西「そうでしゅね。もとのキャンプ地に戻りましょう……」

124: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)07:24:10 ID:nER
日没

ギャルJK「またここに戻ってきちゃったね」

安西「そうでしゅね……」

ギャルJK「今日はもう遅いから、火を起こして携帯食で凌いで、そして寝よ?」

安西「はい……。最初僕が見張りすりゅんで、ギャル子しゃんは先に寝てくだしゃい」

ギャルJK「ごめんね、ありがと……」

125: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)07:41:24 ID:nER
翌朝

安西「ギャル子しゃん、おはようございましゅ」

ギャルJK「うん……おはよ」

安西「どうしましゅか? 水浴びしてきましゅ?」

ギャルJK「だねー。先に行ってくるわー」

安西「見張っときましゅ」

数十分後

ギャルJK「それで、今日からどうしよっか?」

安西「そうでしゅね。もう時間がないような気もしましゅ」

ギャルJK「だねー。終了する条件があんま分かんないけど、うかうかしてらんない」

ギャルJK「待って……。基地から持ってきた地図があるから……」

ギャルJK「あたしたちは恐らくこの辺り。で、船がある作業小屋はここ」

安西「他の脱出方法を模索するより、バッテリーを探す方が早いかもしれましぇん」

ギャルJK「だねー。だったらバッテリーがありそうな場所まで行ってみよっか」

安西「でしゅね。幸い、携帯食料もまだ二日くらいもちそうでしゅし、水もそれなりにありましゅ。この拠点にはもう戻らなくてもいいかもしれましぇん」

ギャルJK「うん……。だとすれば……ここ。ずっと北にあるこの建物は?」

安西「これは、何でしょうか?」

ギャルJK「前に小笠原くんが言ってたんだけど、北の方に無線基地があるらしいって。ここじゃないかな?」

安西「なんと、それは良さそうでしゅね!」

ギャルJK「これがゲームなら、主催者なら何かしらのキーアイテムをここに置くはず」

安西「僕がその立場でもそうすりゅのが無難でしょう」

ギャルJK「じゃあ、ここを目指してみよっか」

126: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)07:57:54 ID:nER
皆さん、おはようございます!

ギャルJK「……!」

安西「……!?」

さてさて、実習開始からもうしばらくで二週間が経ちますが、いかがお過ごしですか?
昨日も十人以上が脱落しました!

いいですねー、楽しんでますねー!

ギャルJK「ほんとにムカつく……」

ゲーム開始からだいぶ人数が減りました。
人数が減って、皆さんはどうやら守りに入っているようですねえ!

殺し合いも減る頃かと思われます!

安西「……」

加えて、我々が余興として準備したいくつかの脱出装置にも勘付いている人もいるみたいで!

ギャルJK「……!」

あくまでこれは殺し合いですので、殺し合いをして下さいねぇ?
さもないと、我々からささやかな忠告を差し上げる事態となってしまいます!

安西「忠告……?」

ということで! 殺し合いが減らないように、我々からささやかなプレゼントをやっぱり送っちゃいまーす!

ギャルJK「え……!?」

今日から投下物資を少し減らします。
加えて! 見つけた人間を全員敵とみなして攻撃する殺戮マシーン、グリムリーパーくんを一台送っておきまーす!

ギャルJK「グリム、リーパー……!」

グリムリーパーくんに刈り取られることがないように、皆さん注意して下さいねえ?
なお、殺し合いが終了した時点でリーパーくんも停止させるんで、死にたくないなら早く殺し合いを終了させることです!

それでは皆さん、ごきげんよう!

127: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)08:03:29 ID:nER
>>126
訂正
もうしばらくで二週間→一週間が経ちました

128: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)08:16:06 ID:nER
ギャルJK「あいつら、一体なにがしたいわけ!?」

安西「グリムリーパー……英語で死神を意味する言葉でしゅ」

ギャルJK「その殺戮マシーン? と人間に警戒しながら探し回るなんてマッジありえないっ!」

安西「……どうしましゅか?」

ギャルJK「そんな危ないやつに勝てる見込みなんてないし、装備もないし……」

安西「一応昨日の戦利品……いや、鹵獲したアサルトライフルと拳銃をお互いに装備してましゅが、弾は少ないしこれでマシーンに勝てるとは」

ギャルJK「ねずみちゃんみたいにコソコソ逃げ回ってバッテリーを探すしかなさそうだね」

安西「はい、僕もそう思いましゅ」

ギャルJK「時間はない、さっそく北の無線基地をめざそっ!」

安西「はい!」

129: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)08:27:49 ID:nER
一時間後

ギャルJK「はぁー、マジ疲れた」

安西「いったい、あとどれくらいあるんでしゅか……」

ギャルJK「縮尺の計算ガールスカウトでやったんだよなー忘れちゃったけど!」

安西「……僕もわかりましぇん」

ギャルJK「でも、勘だけど今日一日では多分着かないね……」

安西「おうふ……」

安西「できるだけ距離を稼ぎましょう」

ギャルJK「だねー。でもちょっと休憩しない?」

安西「でしゅね。ちょうど沢がありましゅし、水を水筒に補充しましょう……」

数十分後

ギャルJK「はあ、そろそろ行こっか!」

安西「はい……」トボトボ

ギャルJK「あと一時間くらい歩けば、ジャングルをいったん抜けて、これはー……なんか開けた場所に出るみたい!」

安西「そこまで、何か建物はありましゅか?」

ギャルJK「いや、地図では確認できない!」

安西「では、罠や奇襲に警戒しつつ、その開けた場所でお昼休憩にしましょう!」

ギャルJK「りょーかーい! ほら、頑張るよ!」

安西「はいぃっ!」

130: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)08:46:29 ID:nER
約一時間後

ギャルJK「はあ、はあ……。やっと、着いたあ゛……! あっつー!」

安西「水、うめぇ……!」

ギャルJK「あ、煮沸しないと危ないってマジ!」

安西「ギャル子しゃんが、『澄んでるから大丈夫っしょ!』って言ったんじゃないっしゅか」

ギャルJK「まあ、なんとかなるっしょ……」

安西「アメーバ赤痢で死ぬのだけはごめんでしゅよ……」

ギャルJK「……あっ、安西! 単眼鏡持ってたよね?」

安西「ああ、基地から持ってきたやつが……」ガチャ

ギャルJK「貸して?」

安西「ありました」ヒョイ

安西「どうしましゅた?」

ギャルJK「開けた場所に来たけど、あの奥の廃墟は何かなって思って」

安西「随分と広大なフィールド……。道路のような道がまっすぐ続いてましゅから、恐らく滑走路かもしれましぇん」

ギャルJK「となると、あの廃墟は空港と管制塔ってやつ?」

安西「でしょうね。いかにも敵がキャンプにしてしょうでしゅ」

ギャルJK「それが……こっから見る限り誰もいないよー?」

安西「不気味でしゅね。誰もいないならお昼休憩にしたいでしゅが」

ギャルJK「ここをつっきるしか、北の無線基地にはいけないっぽいよー?」

安西「もしかしたらここにもキーアイテムがあるかもしれましぇん」

ギャルJK「どのみち、行くしかなさそうだねー」

132: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)08:53:43 ID:nER
ギャルJK「じゃあ、警戒して小走りで空港まで行こ!」

安西「途中に輸送機やヘリの残骸っぽい瓦礫の山がこれみよがしに設置されてましゅ!」

安西「もし空港側から襲撃されたら、そこに隠れましょう!」

ギャルJK「りょーかーい! じゃあ、いちにのさんで行くよ!」

ギャルJK「いち、にの、さん!」

安西「あ、チョ・マテヨ!」

ヒュン! ビシッ!

安西「……?」

パァアアアアアアアアアアアン!

ギャルJK「……ゐ」

安西「……す」

安西「スナイポォオオオオオオオオオオオオオオ!」ダッ

133: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)09:14:25 ID:nER
安西「ハァ、ハァ、ハァ……!」

ギャルJK「死ぬかと思ったし……!」

安西「この瓦礫がなかったら格好のクレー射撃の的でしゅた!」

ギャルJK「こんなんじゃ命がいくつあっても足んないし!」

ギャルJK「昨日は爆破、瓦礫に埋もれるし、今日は今日で射的の的にされるとか! マジあり得ない! ドンだけやばたにえん梅茶漬け!」

安西「FPSでクネクネ走り勉強しといてよかったでござる……」

ギャルJK「冗談言ってる場合じゃないよ! どっちにしろあたしたちは向こう側の空港まで行くしかないけど、この瓦礫の山で足止めされてる!」

安西「うかつに顔を出せば頭と胴体が今生の別れでしゅ……」

安西「向こうは何発か外してましゅ。動く標的は苦手なのかもしれましぇん」

ギャルJK「二人同時に走ってターゲットが分散したのも良かったのかもしれない!」

安西「どうしましゅか……? 体感だと、空港まであと直線400メートルはありしょうでしゅ。その間にどっちかが撃ち抜かれる恐れがありましゅよ……」

安西「ギャル子しゃんと別れたくないでしゅよ……!」

ギャルJK「まず、向こうはどっから撃ってきてるん?」

安西「この場合管制塔がベタでしゅが、ここまで逃げる際に空港二階から反射する光を見た気がしましゅ! つまり敵のスナイパーライフルのスコープが光を反射したのかもしれないってことでしゅ!」

134: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)09:33:24 ID:nER
ギャルJK「オッケー。じゃあ空港二階にいると仮定して……」

安西「……?」

ギャルJK「安西、このアサルトライフル? ここから届くかな?」

安西「銃の経験はありましぇんから、例えギリギリ届いても僕じゃ絶対にあたりましぇん……」

ギャルJK「だよね、あたしもムリ……。安西から聞いて初めて撃ち方知ったくらいだし」

安西「僕も動画で見ただけの知識でしゅから……」

ギャルJK「……でも、当たらなくても届くなら意味はあるかも!」

安西「……?」

ギャルJK「いい? 安西……。あんたが囮になって!」

安西「……は?」

135: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)09:51:17 ID:nER
安西「いや、僕を殺す気ですか!?」

ギャルJK「そうじゃない! あんたが援護射撃っての? してるときにあたしがこっから飛び出すから!」

ギャルJK「そしたら向こうは近付いてくる敵を優先して撃つはず!」

ギャルJK「向こうが標的をあたしに変えそうなタイミングで、今度はあんたが飛び出してそれを撃って、そして空港へ走る!」

安西「……ゑ」

ギャルJK「そしたら向こうはワンチャン混乱するはず! あたしも撃ちながら走るから、あんたもそれに続いてひたすらにダッシュ!」

ギャルJK「当たらなくても、弾が飛んでくる音を聞きながら、その恐怖の中で狙撃するなんて、軍人でもなければ難しいはず!」

安西「なるほど! 恐怖で顔を背けたら儲けもんでしゅね!」

ギャルJK「うん! もし空港まで到達できたら、接近戦はあたしに任せて」

安西「鎖鎌、でしゅか……!」

ギャルJK「うん……。じゃあ、準備はいい?」

ギャルJK「もしあたしが撃たれて死んだら、構わず走って逃げて。もしくは空港へ向かって、あんたが戦うの。バッテリーを見つけて、あんただけでも生還すんの!」

安西「わかりましゅた、僕がやられてもそうしてくだしゃい……」

安西「でも、二人で脱出すると約束しましゅたからね……!」

ギャルJK「……そだね!」

ギャルJK「じゃあ、

136: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)09:54:00 ID:nER
ギャルJK「じゃあ、今度こそ行くよ!」

安西「はい!」ガチャ

ギャルJK「いち、にの……」

安西「……」スッ

ギャルJK「さん!」ダッ

安西「うおおおおおお!」バリバリバリバリ!

137: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)10:22:00 ID:nER
ヒュン! バシィ!

安西「うあ゛ッ!」

ギャルJK「安西怯むなぁあああああ! 撃ち続けろォオオオオ!」ダッ

安西「どうにでもなれぇ!」バババ、バババ、バババ!

安西「銃撃が止んだ……? もしかして、ターゲットがギャル子しゃんに……!」

安西「死なせるかァ!」バババババババ!

安西「リロードォオオオ!」ガチャ

ギャルJK「安西への攻撃が、止んだっ!?」ハッ、ハッ

リロードォオオオオオ!

ギャルJK「今度はあたしの番か! 覚悟決めろあたし!」ガチャ

ギャルJK「焦るな! 向こうも焦ってるはず!」

ギャルJK「こうかっ!?」バン!

ギャルJK「きゃっ!? このやろ!!」バン バババ!

ギャルJK「安西ダッシュゥゥゥゥゥゥ!」

安西「りょ、りょーかいっ!」ダッ!

ヒュン! ヒュン!

安西「ひっ! いやゃあ゛ッ!」ダッ

ギャルJK「攻撃が安西に……? オッケー迷ってる!」

ギャルJK「死なせるかァ!」バババ バババ

ギャルJK「リロードッ!」

138: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)10:31:22 ID:nER
安西「もう少しだ! もう少しィ!」バババ

ヒュン! ヒュン!

安西「うあ゛あ゛あ゛!」カチカチ

安西「リロード!」

ギャルJK「銃撃の感覚が……向こうもリロード中!?」

安西「ギャル子しゃあああああん! 今のうちにタッチダウンでしゅううう!」

ギャルJK「……!!」

ギャルJK「うおおおおおおおおおおおお!」ダッ

パァアアアン!

ギャルJK「……ッ」

安西「……ッ!」

ヒュン! シュバッ!

安西「ギャル子しゃん!?」

ギャルJK「……っぶねー!」

ギャルJK「ほっぺたかすめたぁー!」

ギャルJK「よくも女の命の顔をおおおおおおお!」ダッ

安西「ギャル子しゃんいけえ!」バリバリ!

ギャルJK「……20メートル、10メートル、5メートル!」

安西「……ハッ、ハッ!」ババババ

安西「ギャル子しゃんがいったあ!!」

安西「僕が撃たれる前に頼みましゅうう!」ダダッ


139: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)10:42:03 ID:nER
ギャルJK「オッケー、空港の中に来たよ!」

ギャルJK(相手は二階!)

ギャルJK(逃げも隠れもしない!)

ギャルJK「このまま勢いで一気にいくよ!」ダダッ

ギャルJK「ハッ、ハッ、ハッ!」

ギャルJK(二階だ! 敵はどこ!?)

スナイパー「……!!」

ギャルJK(女の子っ!?)

女スナイパー「……このっ!」スチャッ

ギャルJK「させるか!」ビュン!

女スナイパー「……!?」

女スナイパー(なんだ……鎌が飛んでき……!?)

女スナイパー「……ウグっ!?」ガキン

女スナイパー(しまっ……! ライフルが弾かれ……!)

バァアアン!

ギャルJK「……」

女スナイパー「……」

モクモク……

安西「……ギャル子しゃん! 大丈夫でしゅか!」

安西「……ギャル子しゃん」

ギャルJK「……」

女スナイパー「……ック」

ギャルJK「あたしの勝ちだねっ」スッ



140: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)11:03:17 ID:nER
女スナイパー「……ッ」

女スナイパー「クッ……!」

女スナイパー「私の負けだ。殺せ……」

安西「ギャル子しゃん……!」

ギャルJK「そだね。あたしたちはもう迷わないし騙されない」

ギャルJK「せめて苦しまないよう、拳銃で頭を撃ち抜いてあげる」ガチャ

女スナイパー「……やれ」

安西「……!」

ギャルJK「……ッ!」

女スナイパー「……」

バババババババババババ!

女スナイパー「……?」

ギャルJK「なに、この音?」

安西「ギャル子しゃん! あれを見てくだしゃい!」

141: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)11:06:43 ID:nER
ギャルJK「あれは……でっかいヘリ?」

安西「なにかぶら下げてましゅ!」

ギャルJK「まさかこのタイミングで、ここに投下物資を落とすわけ!?」

安西「……落としましゅた!」

ヒュオオオオオオ バァアアアン!

ギャルJK「もうどんだけ!? 滑走路に落としたし!!」

安西「あれは……いつもの投下物資とは違う箱みたいでしゅね」

女スナイパー「違う箱……」

ギャルJK「……?」

女スナイパー「ま、まずい……!」スクッ

142: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)11:08:19 ID:nER
ギャルJK「え!? どゆこと!?」

女スナイパー「あ、あれは……」

ガチャ ガチャ バン!

安西「箱が、開いた……!?」

シュウウウウウウウウウウウウッ!

ギャルJK「煙……?」

シュウウウウウウ……

女スナイパー「あれは……」ガクッ

ギャルJK「……!?」

安西「何か、煙の中からボワっと……」

女スナイパー「そんな、馬鹿な……!」

ギャルJK「ちょっと、なんか知ってんの!?」

女スナイパー「あれは……!」

安西「あれは?」

女スナイパー「あれは……」

シュウウウウウウウ ガチャッ ガチャッ

女スナイパー「グリム、リーパーだ」

ギャルJK「……なっ!?」

安西「……えっ!!」

リーパー「……」

リーパー「フオォオオオオオオオオオン」

to be continued?

143: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)11:10:44 ID:nER
離脱しましゅ

144: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)11:11:28 ID:OMv
とりあえず乙やで

147: 名無しさん@おーぷん 19/08/27(火)18:11:09 ID:lc2
待ってるで~

150: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)00:33:31 ID:saw
再開しまつ!

151: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)00:45:01 ID:saw
女スナイパー「くそ、リーパーだ!」

ギャルJK「こんなタイミングで……! 嘘でしょ!?」

安西「もうおしまいでしゅ……!」

リーパー「フォオオオオン!」

女スナイパー「まずい……! みんな伏せろ!」

リーパー「……」

フィイイイイイイイイイイイイン!

ギャルJK「……!?」

ドルルルルルルルルルルルルルルル!

安西「うわああああああああ! 死ぬゥウウウウウウウウ!?」

ガガガガガガガガガガガガ!

ギャルJK「ちょっとなにこれ!? 聞いてない!!」

女スナイパー「ミニガンだ! 奴はミニガンを装備してる!」

ギャルJK「全然ミニじゃないっての!!」

ガガガガガガガガガガガガ!

安西「ガトリングでしゅ! 普通なら乗り物に設置される固定兵器でしゅ!」

安西「こんなんじゃ蜂の巣にされるのも時間の問題でしゅよ!」

ギャルJK「そもそもあたしたちを見つけるの早すぎ!」

女スナイパー「みんな匍匐で壁際から離れろ! コンクリートも貫通するぞ!」

安西「もう今度こそおしまいでしゅ!」

152: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)00:53:00 ID:saw
安西「見つけた人間全員敵判定で持ってる武器はミニガンとか! チートでしゅチート! 運営に報告しないとォオ!」

ギャルJK「その運営ってのが送ってきたんでしょ!?」

女スナイパー「……恐らくセンサーか何かだ!」

ギャルJK「センサー!?」

女スナイパー「私たちの居場所を一瞬で捉えた……! 恐らく熱源センサーか何かで人間の熱源を捉えたのだろう!」

安西「な、なりゅほど! ようはプレデターみたいなもんでしゅね!?」

ギャルJK「プレデター!? シュワちゃんのやつゥ!?」

女スナイパー「そうだ! なんらかのセンサーが搭載されているに違いない! 自律行動ドローンの一種だろう!」

安西「呑気に解説してる時間もないでしゅ!」

ガガガガガガガガガガガガ!

ギャルJK「もうなんなん!! あんなのに勝てっこないっしょ!!」

安西「勝つなんて無理でしゅ! せめて時間を稼いで逃げるしか!!」

ガガガガガガガガガガガガ!

女スナイパー「……クソ!!」

153: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)01:00:23 ID:saw
女スナイパー「君たち、装備は!?」

ギャルJK「装備なんてこのアサルトライフルゥ!? と拳銃と鎖鎌しかないってのォ!」

安西「右に同じィ!」

女スナイパー「私はこの狙撃銃と拳銃とフラッシュバンと手榴弾二個だ!」

ギャルJK「待って! フラッシュバンて何!?」

安西「スタングレネードでしゅ! 音と光で相手の目をくらませる閃光手榴弾でしゅ!」

ガガガガガガガガガガガガ!

ギャルJK「くっそ……!」

安西「うわあああああああああああ!!」

ギャルJK「わかった!!」

女スナイパー「!?」

ギャルJK「あたしたち、ここは手を組まない!?」

安西「えぇ!?」


154: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)01:15:43 ID:saw
ギャルJK「まずはあのターミネーターをなんとかしないと共倒れだし!」

女スナイパー「……」

女スナイパー「……そうだな!!」

女スナイパー「でもどうする!?」

安西「そうでしゅよ! 三人だけでどうにかできるとは……!」

ギャルJK「……賭けに出るしかないし!」

安西「賭けぇ!?」

女スナイパー「賭けってことなら、一つだけ方法がある!!」

安西「え、あるのォ!?」

ガガガガガガガガガガガガ!

女スナイパー「……クッ! このフラッシュバンだ!」

安西「でも、熱源カメラに効くんでしゅか!?」

女スナイパー「分からん! だがフラッシュバンの閃光なら! 瞬間的に放たれた光は強いエネルギーを放つはずだ!」

安西「エネルギーってことは熱!?」

女スナイパー「とにもかくにも、一瞬の目くらましになるかもしれん! もし奴が熱源以外のカメラを搭載していたとしても、切り替える瞬間に隙が生まれるはず!」

ガガガガガガガガガガガガ!

ギャルJK「勢いが……! 近くまで来てるっぽいよ!」

女スナイパー「もう時間がない! 作戦はこうだ!」

女スナイパー「まず誰かが囮となり奴の攻撃をひきつけろ! このままでは伏せた状態から身動きできん!」

女スナイパー「そしてひきつけている間に私がフラッシュバンを投げる!」

女スナイパー「もしそれで身動きが一瞬止まればチャンスだ!」

女スナイパー「お前のその鎖鎌で奴を転ばせろ!」

ギャルJK「……!!」

155: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)01:22:45 ID:saw
女スナイパー「転んだ時が私たちのチャンスだ!」

女スナイパー「逃げるか、もしくはありったけの攻撃を浴びせて逃げるか! この二つだ!」

安西「そんな簡単に言われても!」

ギャルJK「オッケー!!」

安西「ギャル子しゃん!?」

ギャルJK「それくらいしか方法はないし!」

ギャルJK「じゃあ、あたしが一階であいつをひきつけるから!」

安西「あっ!! ギャル子しゃん!?」

女スナイパー「銃撃が止んだ!? 今だ!!」

女スナイパー「行けギャル子!!」

ギャルJK「りょーかいっ!!」ダッ

安西「え!?」

女スナイパー「うかうかするな!! 援護射撃!!」 バンバン

安西「あ、はいぃい!!」バババ

156: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)01:30:53 ID:saw
リーパー「……」ウィイイン

ガガガガガガガガガガガガ!

女スナイパー「クソ! 伏せろ!」

安西「これじゃ満足に援護もできましぇんよ!」

ギャルJK「……!!」

ギャルJK(あいつは空港まで約300メートルくらい?)

ギャルJK(まだ遠い!! これじゃフラッシュバンが届かない!!)

ギャルJK(せめて100メートル以内までひきつけないと!!)

ギャルJK「やるしかないっしょ!!」

ギャルJK「ほらこっちだよ!!」バンバン

リーパー「……」

ガガガガガガガガガガガガ!

ギャルJK「きゃあっ!? もうどんだけっ!?」ダッ

女スナイパー「ギャル子に矛先が向いた! 今だ!」

女スナイパー「撃て!」バンバン

安西「うわああああ!」バンバン

リーパー「……?」

リーパー「……」

ガガガガガガガガガガガガ

女スナイパー「伏せろォ!」

安西「忙しすぎィ!」スッ

女スナイパー「相手のAIを惑わせ! これを何回も繰り返すんだ!」

安西「りょーかいぃいっ!」

157: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)01:37:07 ID:saw
ギャルJK「ほらほら! こっち!」バンバン

ギャルJK(何発か当たってるはずだけど!)

リーパー「……」

ギャルJK(まるで効いてない!?)

ギャルJK「まだ! もっとこっち来て!」バン

ガガガガガガガガガガガガ

ギャルJK「クッ……!!」

女スナイパー「撃て!」

安西「はいィ!」バンバン

ギャルJK「あとちょっと! あとちょっとで100メートル圏内のはず!」

女スナイパー「伏せろ!」

ガガガガガガガガガガガガ

安西「うぅ゛! もうそろそろライフルの弾が切れますゥ!」

女スナイパー「ライフルが切れたらハンドガンがあるだろ!」

安西「んな無茶なァ!」

女スナイパー「撃てぇ!」バン!

安西「もうどうにでもなれぇ!」バババ!

158: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)01:44:12 ID:saw
ギャルJK「……よし! もうそろそろ頃合いのはず!」

ギャルJK(二階へ戻らなくちゃ!)ダッ

女スナイパー「ギャル子っ!?」

ギャルJK「もうそろそろいいんじゃない!?」

女スナイパー「ダメだ! もう少しひきつけないと!」

安西「そんなぁ!? 弾ももうないでしゅよ!!」

女スナイパー「くそッ……!」

女スナイパー「わかった! 一階へ降りる!」

ギャルJK「じゃああたしが先に行く!」

安西「ギャル子しゃん!?」

ギャルJK「その隙に二人も来て!」ダッ

安西「……あっ!!」

女スナイパー「援護だメガネくん!」バン

安西「これでライフルのマガジンは最後でしゅ!」バババ

ギャルJK「……クッ!」

ガガガガガガガガガガガガ

ギャルJK「二人とも来て!」

女スナイパー「……来たぞ!!」

安西「こっからどうすりゅんすかぁ!?」

ガガガガガガガガガガガガ

ギャルJK「クッ……! あたしが囮になる!」

安西「えぇ!?」

160: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)01:53:40 ID:saw
ギャルJK「いい!? 一回だけだから!!」

ギャルJK「あたしが空港を抜けて管制塔の陰まで一気に駆け抜ける!!」

ギャルJK「あいつの攻撃があたしに向いて方向が変わったら」

ギャルJK「あいつの視界の外からフラッシュバンを投げて!」

ギャルJK「そしたらあたしが接近して鎖鎌を使う!」

ギャルJK「いくよ!」

女スナイパー「わかった!」

安西「はい!!」

ギャルJK「いち、にの……!」

ギャルJK「さんッッ!!」ダッ

女スナイパー「いけぇええええええええええ!」

リーパー「……」

ガガガガガガガガガガガガ

ギャルJK「おおおおおおおおおおおおおおお!」

ギャルJK「今!!」

女スナイパー(約50メートル!!)

女スナイパー「メガネくん! 目を閉じて耳を塞げェ!!」

女スナイパー「いくぞおおおおおおお!」ピン

女スナイパー「……ふんっ!!」

ヒュウウウウウウウウウウ

リーパー「……?」

バシュッ!

安西「……ガッ!?」

女スナイパー「……ッ!!」

ピカッ キィイイイイイイイイイイン

161: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)02:05:08 ID:saw
ギャルJK(あいつの動きが止まってる!?)

リーパー「……」

ギャルJK「今だ!」ダッ

リーパー「……」

ギャルJK「……ッ!」

リーパー「……」

ヒィイイイイイイイイン!

ギャルJK「……ッ!!」

女スナイパー「ギャル子!!」

安西「急いでくだしゃい!!」

ギャルJK「わかってるっての!!」

リーパー「……」ウィイイン

ギャルJK「これでも……」ジャラ

ギャルJK「くらえっ!!」ブォン!

162: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)02:05:55 ID:saw
リーパー「……?」

グルグルグル

ギャルJK「うおおおおおおおおおおおおお」

ギャルJK「倒れろオオオオオオオオオ!」ググッ

ギイイイイイイイイイイイイイイイイ

リーパー「……ッ」

バタン!!

安西「や、やったでしゅ!!」

女スナイパー「ギャル子! 今のうちにこっちへ来い!」

ギャルJK「オッケー!」ジャラ

女スナイパー「今だ! 一斉攻撃!」バンバン

安西「ああああ!!」バン バン

163: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)02:10:57 ID:saw
リーパー「……!!」

ガキン ガキン!

女スナイパー「よし、奴が起きる前にジャングルに退散するぞ!!」

安西「了解でしゅ!」

ギャルJK「うん!!」

女スナイパー「先に行けっ!!」

女スナイパー「私はこいつをっ!!」

女スナイパー「最後のプレゼントだ!!」

安西(手榴弾ッ!!)

女スナイパー「二人とも走れ!! 行け!!」

ギャルJK「行くよ安西!!」

安西「はいィ!!」

女スナイパー「……ふんっ!」ピン!

女スナイパー「走れェえええ!!」ブンッ!

ドオオオオオオオオオオオン!

164: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)02:18:48 ID:saw
ジャングル

ギャルJK「はあ、はあ、はあ……」

安西「はっ、はっ、はっ……!」

女スナイパー「ふっ、ふっ……」

女スナイパー「なんとか、撒いたみたいだな……」

ギャルJK「そう、みたいだね……」

安西「はぁ、もうダメでしゅ……」

ギャルJK「ははっ……! あたしたちやってやったな!」

安西「……はいっ!」

ギャルJK「ほら!」

安西「!?」

ギャルJK「ハイタッチだよハイタッチ!」

安西「あ、う、ウェエエエェイ!」パチン

ギャルJK「ははっ、安西キモいんですけどー!」

安西「えぇ……」

ギャルJK「ほら、あんたも!」

女スナイパー「……?」

ギャルJK「なんだよノリ悪いなー」

女スナイパー「わ、私は敵だろ……!」

ギャルJK「うわー出た! ツンデレ~!」

安西「……尊いッ!!」

ギャルJK「ほらほら、いいじゃん」スッ

女スナイパー「……ん」パチン

ギャルJK「えへへ……! やったね!」

165: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)02:34:05 ID:saw
ギャルJK「……あたしはギャル子! よろしく!」

安西「ぼ、ぼきゅは安西でしゅ!」

女スナイパー「私は……」

ギャルJK「ツンデレちゃんでしょ!」

女スナイパー「つ、ツンデレいうな!」

ギャルJK「ツンデレに決定~!」

女スナイパーはツンデレになった

ツンデレ「もう好きにしろ……」

安西「ツンデレしゃん……尊いッ!」ブワッ

ギャルJK「それで、これからどーしよっか」

ツンデレ「私を殺すのではなかったのか」

安西「……あ」

ツンデレ「言っておくが、一瞬手を組んだだけだ」

ツンデレ「私がここでこうすることもできるのだぞ」スチャッ

166: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)02:35:52 ID:saw
ギャルJK「……!?」

安西「つ、ツンデレしゃん! 拳銃をしまってくだしゃい!」

ギャルJK「ははっ……!」

ツンデレ「……何がおかしい」

ギャルJK「ツンデレちゃん、ほんとにあたしを撃とうと思ってないよね?」

安西「……!!」

ツンデレ「……そ、そんなことは」

ギャルJK「多分、あの空港でずっと一人で戦ってきたんでしょ?」

ツンデレ「そ、それは……」

ギャルJK「あのターミネーターがいつまた襲ってくるか分からないし、アウトローがまだ生き残っているかもしれないし」

ギャルJK「……一緒に脱出しよ!」

ツンデレ「……!!」

ツンデレ「……なぜそこまでこだわる?」

ギャルJK「なんつーか、ツンデレちゃんとなら一緒に脱出できそうな気がする!」

安西「……僕は!?」

ギャルJK「あーあと安西もね!!」

安西「ひ、酷いでしゅよ!!」

ツンデレ「……ふふっ」

ツンデレ「……そうだな、私の負けだ」

ツンデレ「脱出するまで手を組もうじゃないか」スッ

ギャルJK「うん! よろしくね!」スッ

ギャルJK「……今デレたでしょ?」

ツンデレ「う、うるさい……!」

167: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)02:45:16 ID:saw
ギャルJK「っで、これからのことだけど」

ツンデレ「さっき脱出すると言っていたが」

安西「はい、ギャル子しゃん地図を」

ギャルJK「あ、はいっ」

安西「……実は、ここの砂浜にバッテリーが抜かれた小型船艇があるらしいでしゅ。僕たちは見てないでしゅが、以前行動していた仲間が実際に見たと言っていましゅた」

ツンデレ「なるほどな……。つまり、今はそのバッテリーを探しているというわけか」

ギャルJK「そだねー。んで、あたしたちはこの北の無線基地らしい建物にバッテリーがあるんじゃないかと思って、そこを目指しているんだ!」

ツンデレ「無線基地か……。もしバッテリーがなくても、そこが本当に無線基地なら助けを呼べるかもしれないな」

ギャルJK「そだね!」

安西「……リーパーが追ってくるかもしれましぇん。日没までにできるだけ距離を稼ぎましょう!」

ギャルJK「オッケー。とりあえずお腹すいたから何か食べない?」

ギャルJK「ツンデレちゃんはなんか持ってる」

ツンデレ「ああ」

安西「じゃあ、10分程度休憩しましゅか」

ギャルJK「りょーかーい!」

168: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)03:00:38 ID:saw
日没前

ギャルJK「ふぅ。もう日も暮れるし、今日はここでキャンプしよっか!」

安西「いつものように軽く野営地を作りましょう!」

ツンデレ「サバイバルの知識なら多少はある。私も手伝おう」

安西「お、ツンデレしゃんもその口でしゅか! 僕もベアグリルスで……」

ツンデレ「寝床を作る材料を集めてくる」

ギャルJK「はーい! あたしは火起こしするねー」

安西「……」

日没後

ギャルJK「……で、ツンデレちゃんはどうしてこの実習に?」

ツンデレ「ああ……。私はあまりいい生徒ではなくてな」

安西「そんな風には見えましぇんが」

ツンデレ「見た目はな……。その見た目のせいでやっかみを受けることが多くてな」

ツンデレ「いちいち喧嘩に付き合ってたらいつのまにか不良の烙印を押されてた」

ギャルJK「うっそ!? スケバンってやつ!? かっけーじゃん!」

ツンデレ「別にヤンキーではない……。ただ、そういう風に見られてしまってな」

ツンデレ「このままでは退学させられるかもしれないって時に、この実習の話が舞い込んできた」

ギャルJK「あ、あたしもそーゆー感じ! 別に問題起こしてたわけじゃないけど、内申点が上がるから推薦狙えるって言われてさー」

安西「そしたら、こんな事態になったと……」

ツンデレ「ああ」

169: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)03:15:37 ID:saw
ギャルJK「今までは生き残るので精一杯だったから、考えないようにしてたけど……」

安西「はい、理解ができましぇんね……。軍隊ならまだしも、一般人の学生にこんなことをさせるなんて」

ツンデレ「……恐らく、裏に政府がいるんだろう」

ギャルJK「え!? せーふ!?」

安西「そ、そんな……!?」

ツンデレ「じゃないと、こんな大掛かりなことなどできるはずがない」

ギャルJK「ま、まあそーだけどさ……」

安西「自国民に殺し合いさせるなんて常軌を逸していましゅ!」

ツンデレ「……君たち二人は問題児ってわけでもないだろうが、少なくとも私はそうだ」

ツンデレ「他に集められた人間も、そういう問題を抱えた人間がいるのだろう」

ギャルJK「……」

ツンデレ「私のような不良生徒から、不登校生徒、見た目では問題なくとも精神に異常があるもの、それから潜在的サイコパス……」

ツンデレ「そういったどうしようもない若者を更生させる目的か、いわゆる口減らしか……」

安西「更生手段がおかしすぎましゅ!」

ツンデレ「もしくは、ならず者を兵士にさせようとしているのか……」

ギャルJK「……えっ!?」

170: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)03:29:28 ID:saw
ツンデレ「昨今、国際情勢は不安定だ。この日本でさえも、いつ戦争に巻き込まれるかわからない」

ツンデレ「来たる日のために今から実践的なデータを取っているのか、もしくは『優秀なならず者』を兵士として育て上げ、不正規な、ニュースにならない戦いに行かせてデータを取る、その前準備かもしれない」

安西「徴兵制とか最近物騒な話題が持ち上がっていましゅからね……」

ツンデレ「ああ。若者が戦場に行くとどうなるのか、そのデータをならず者で試しているのかもな」

ギャルJK「でも、こんなのパパやママが許すはずが……!」

ツンデレ「君たちについては分からない。だが、私の場合は大金と引き換えに親に売られた可能性がある」

ギャルJK「え!?」

ツンデレ「あくまでも私の妄想だ。私は三人兄妹の末っ子だ。一人くらい出来の悪い娘を減らしても、生涯困らないほどの大金と引き換えなら……ということかもしれない」

安西「そんな……」

ツンデレ「あくまでも、私の妄想だ」

ツンデレ「……とにかく、君たちも仮に脱出できたとしても、生還した際に国から口止めされるか、軟禁生活が待っているかもしれない」

ギャルJK「そんな、そんなことって……」

ツンデレ「まあ、まずは生き残ることが先だ」

安西「……そう、でしゅね!」

ツンデレ「……火を消そう。リーパーに探知される恐れがある」

ギャルJK「そう、だね……。そろそろ消灯しよっか」

171: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)03:44:28 ID:saw
安西「いつも通り僕が歩哨に立ちましゅ」

ツンデレ「分かった。じゃあ二時間後に私が変わろう。ギャル子は私の次を頼む」

ギャルJK「オッケー。じゃあ、おやすみ」

消灯後

安西「グガッ……zzz」

ツンデレ「……ギャル子、まだ君の番じゃないぞ」

ギャルJK「なんかさ……不安になってきちゃった」

ツンデレ「……すまない」

ギャルJK「え?」

ツンデレ「いや、私が不安にさせてしまった」

ギャルJK「いや、そうじゃなくてさ……」

ギャルJK「確かに、ツンデレちゃんの話は一理あると思う」

ギャルJK「だから、もしあたしが生還できても、もう元の生活に戻れないって思って」

ツンデレ「……ああ」

ギャルJK「ねえ」

ツンデレ「?」

ギャルJK「もしツンデレちゃんは生還できたら、どうするの?」

ツンデレ「さあな……。もし親が全てを知った上で私を送り出していたのだとしても、何食わぬ顔で私を迎えるだろう」

ツンデレ「大金と引き換えに……。もし私が世間に口を割れば、その瞬間私は消される」

ギャルJK「そんな、そんな日常って……」

ツンデレ「ああ。しかし私は高校生だ。ここじゃともかく社会に戻れば、一人じゃ何も出来ない」

ツンデレ「あと少しの辛抱だ。卒業した瞬間に家を出ようと思う」

ギャルJK「そっか……」

175: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)03:51:21 ID:saw
ギャルJK「じゃあさ、もし行き場がなかったら、家に来なよ」

ツンデレ「……」

ギャルJK「うちも分かんないけどさ、でもツンデレちゃんと一緒なら心強いし!」

ツンデレ「……そうだな」

ツンデレ「もしもの時は、お世話になろう」

ギャルJK「へへっ、よろしくね!」

ツンデレ「……ああ」

ギャルJK「……」

ツンデレ「……」

ギャルJK「……手、握っていい?」

ツンデレ「……」

ツンデレ「……ああ」

ギャルJK「これで、眠れそう……」

ツンデレ「……」ギュ

ツンデレ「……おやすみ」

176: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)04:02:42 ID:saw
翌朝

ギャルJK「……おはよ!」

安西「うあ……。おはようございましゅ」

ツンデレ「おはよう」

ギャルJK「ささっ、ターミネーターが来る前に、軽く朝食とって無線基地を目指そ!」

安西「あと距離はどれくらいでしゅか?」

ツンデレ「地図を貸してくれ……。うむ、この距離ならお昼前には着くだろう」

安西「おうふ、ようやく終わりが見えてきましゅたね!」

ギャルJK「じゃ、そーゆーわけで!」

皆さん、おはようございます!

ギャルJK「……!!」

さて、実習の時間も残り少なくなってきました!
だいぶ数が減りましたねぇ!
昨日、リーパーに刈り取られた人がだいぶいたようですよ!

安西「……そんな」

ツンデレ「だが、やつは私たちとは別の方向にいったみたいだな」

早くしないとリーパーに全員刈り取られて終わってしまいます!
皆さん、頑張ってください!

ギャルJK「言われなくても分かってるっつの!」

それから、朗報があります!

安西「……!?」

昨日、とある砂浜からボートで脱出した方が二名、いらっしゃいます!
島のどこかに配置したバッテリーを見つけて、それで脱出したようですねえ!

ギャルJK「……え!!」

安西「な……!!」

ツンデレ「なんだと……!!」

178: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)04:12:55 ID:saw
ちなみに、脱出手段はもうありません!
探せばあるかもしれませんがw!

とにかく、後は殺し合いをするしかないですよ~!
リーパーにやられる前に、殺し合いを終了させてくださーい!

それでは、ごきげんよう!

ギャルJK「……そんな」

安西「そんなことって!」

ツンデレ「……」

ギャルJK「今まで、あれだけ苦労して生き残ってきたのに!」

安西「これじゃ、これじゃ無駄死にでしゅ!」

ツンデレ「……」

ギャルJK「もう、どうすりゃいいの……」

安西「殺し合いを、終了させるしか……」

ギャルJK「でも! もう弾も少ないし! 戦えるような状態じゃ……!」

ツンデレ「……ここでライバルを減らしておく作戦もあるぞ」スチャッ

ギャルJK「な……!」

安西「ツンデレしゃん……!? 仲間に銃を向ける気でしゅか!?」

ギャルJK「そうだよ! ここまで来たんだよ!?」

ツンデレ「……だったら!!」

安西「……ッ!!」

ギャルJK「……!?」

ツンデレ「無線基地を目指そう」

ギャルJK「ツンデレちゃん……」



179: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)04:15:46 ID:saw
ツンデレ「無線基地にいけば何かあるかもしれない」

ツンデレ「とにかく、基地を目指そう」

ツンデレ「後の話はそこで決めようじゃないか」

ギャルJK「……」

ギャルJK「そう、だね……」

安西「はい……」

ギャルJK「じゃあ、基地へ行こう……!」

181: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)04:39:10 ID:saw
数時間後

安西「……あれは!?」

ギャルJK「無線基地……!」

ツンデレ「どうやらほんとに無線基地だったようだな」

安西「ここから見ると……人の気配はないみたいでしゅ」

ギャルJK「行こっ!」ダッ

基地内

ツンデレ「……こっちはクリアだ。どうやら無人らしい」

ギャルJK「こっちも異常なし!」

安西「皆さん! こっちに来てくだしゃい!」

ギャルJK「……え?」

ツンデレ「これは……」

安西「この武器の数! 弾薬も目一杯ありましゅ!」

ギャルJK「食料や水も! もしかしたら誰もここに来てなかったのかも!」

安西「見てくだしゃい! 手榴弾、アサルトライフル、それに軽機関銃まで!」

182: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)04:41:04 ID:saw
安西「……あと、この筒みたいなものは?」

ツンデレ「M72ロケットランチャーだな。使い捨てのロケットランチャーだ」

ギャルJK「ロケットランチャー!?」

ツンデレ「ああ。この後部ストックを引き延ばして、この照準器を引き起こす。ここが引き金だ。引き金の前にある安全装置をこうやって解除して、あとはこうして担いで……」

ツンデレ「あとは照準器のメモリで狙いを定めて、引き金を押す。するとロケットが噴出する仕組みだ。バックブラストで大変なことになるから絶対に後ろに立つな」

ツンデレ「使い捨てだから一発撃ったら装填はできない」

安西「なるほど……」

ギャルJK「詳しいね……?」

ツンデレ「あ、いや……。動画で見たんだ」

安西「なるほど……つまりこのロケットランチャーが三本あるということは!」

ツンデレ「一本一発、心強いな」

ギャルJK「この武器があれば心強いね!」

183: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)04:52:05 ID:saw
安西「あと、これを見てくだしゃい!」

ツンデレ「……無線設備!?」

ツンデレ「発電機もあるな……」

安西「これは僥倖でしゅ!」

ギャルJK「でも、使い方がわかんないよ?」

安西「……そうでしたね」

ツンデレ「……私は分かる」

ギャルJK「え!? マジ!?」

安西「しゅごいでしゅ!!」

ツンデレ「アマチュア無線をやっていた。見よう見まねでいじってみれば助けを呼べるかもしれない」

ツンデレ「発電機も……燃料は入っているようだ」

ギャルJK「やった……!」

ツンデレ「発電機を起動して、無線設備で外にSOSを出してみる」

ツンデレ「二人は周囲の探索を引き続き頼む」

ギャルJK「分かった!」

安西「りょーかいでしゅ!」

184: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)05:02:52 ID:saw
ツンデレ「……」

ツンデレ「こちら……」

ツンデレ「……」

ギャルJK「……ツンデレちゃん!!」ダッ

安西「ツンデレしゃん!!」ダッ

ツンデレ「どうした!?」

ギャルJK「……敵が!」

安西「敵がきましゅた!」

ツンデレ「……!!」

アウトロー「殺し合いだ! 殺せ! 殺せ!」

ツンデレ「……!!」

ギャルJK「ここまできたのに……!」

安西「どうしゅれば……!!」

185: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)05:05:01 ID:saw
ツンデレ「二人とも! よく聞いてくれ!」

ギャルJK「……!!」

ツンデレ「敵の規模は分からない! だがここにあるありったけの武器をかき集めて応戦してくれ!」

ツンデレ「メガネくんは軽機関銃を! ギャル子はアサルトライフル! 手榴弾やロケットランチャーも使え!」

ツンデレ「とにかく時間を稼いでくれ!」

ギャルJK「……時間!?」

ツンデレ「ああ……! 無線が繋がるかもしれない! 手応えはある! 必ず繋いでみせるから!」

ツンデレ「私が救援を呼ぶまで持ち堪えてくれ!!」

ギャルJK「……その言葉、信じてるよ!!」

安西「はい!!」

ツンデレ「任せろ……!!」

ギャルJK「安西、最後の戦いだよ!」

安西「はい!」

ギャルJK「絶対に……」

安西「帰る!!」

ギャルJK「行くよ安西!!」ダッ

安西「はい!!」ダッ

ツンデレ「……」

ツンデレ「頼んだぞ……」

186: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)05:12:35 ID:saw
安西「うおおおお!!」ダダダダダダ

ギャルJK「安西! 右!」ババババ

アウトロー「うお゛!」バシュ

安西「生き残りは少ないんじゃなかったんしゅか!?」

ギャルJK「つべこべ言わず撃って!!」バババ

安西「撃ってましゅ!!」ダダダダダダ

アウトロー「しねぇ!!!!」ダッ

安西「……ッ!!」

ギャルJK「……ったく!」バババ

アウトロー「ぎゃっ!?」ザシュ

ギャルJK「どんだけいんの!!」ババババ

安西「ギャル子しゃん左!!」

ギャルJK「っもう!」ババババ

ギャルJK「頼んだよ……ツンデレちゃん!!」

ツンデレ「……」

アウトロー「女だァ!」スッ

ツンデレ「……!!」

ツンデレ「……邪魔だ!」バン!

187: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)05:18:58 ID:saw
アウトロー「ああ゛ッ!?」バタッ

安西「これでも……喰らえ!」ピン

アウトロー「手榴弾!?」

ギャルJK「私からもあげる!!」ピン

ドオオオオオン

安西「こんだけ撃ちまくってるのに!」ダダダダ

ギャルJK「まだいるわけ!?」ババババ

アウトロー「殺せ!」

安西「うわあああああああ!」ダダダダダダダ

ギャルJK「耐えて! きっと救援が来る!」バババ

安西「くそったれええええ!!」ダダダダ

188: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)05:30:19 ID:saw
安西「ああああああああ!」ダダダダ

ギャルJK「んんんんんん゛!!」ババババ

安西「ああああああああ゛!」

ギャルJK「んんんんんんんんんん゛!」ババババ

安西「……」

ギャルJK「……」

安西「……」

ギャルJK「……攻撃が、止んだ?」

安西「撃退、した……?」

ツンデレ「二人とも無事か!!」ダッ

ギャルJK「ツンデレちゃん!!」

ツンデレ「SOSが届いた!! 付近の公海を航行している軍の船だ!」

安西「自衛隊か何かでしゅかね!」

ギャルJK「でも、この実習がほんとに国絡みの陰謀だったら……!」

安西「自衛隊は、来ない……」

ツンデレ「それはまた後だ! とにかく、軍が迎えのヘリを寄越してくれる! それを信じて待て!」

ギャルJK「それって……」

安西「……」

安西「……あ、あれは!?」

ギャルJK「……!?」

189: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)05:38:17 ID:saw
安西「……撃退したわけじゃない」

ギャルJK「きっと、敵は逃げたんだ……」

ツンデレ「……あれは」

三人「「「リーパー!!」」」

リーパー「フオオオオオオオオオオン!」

フイイイイイイイイイイイイイイイイン!

ツンデレ「伏せろォ!」

ガガガガガガガガガガガガ!

安西「どうしてこう!! こういうタイミングでぇ!!」

ギャルJK「もう嫌ァ!!」

ツンデレ「くそ……! 持ちこたえろ! 救援が来るまでありったけの弾を浴びせろ!」

ツンデレ「私が注意を引く!」バンバン

ガガガガガガガガガガガガ

ツンデレ「くそっ……!」

安西「入れ替わりに攻撃して的を絞らせないようにしましょう!」ダダダダ

ガガガガガガガガガガガガ!

ギャルJK「これ以上近づかせちゃダメ!!」バババ

ツンデレ「クッ!!」ピン

ドオオオオオオオン

安西「手榴弾もあるで効いてない!?」

ガガガガガガガガガガガガ

190: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)05:44:13 ID:saw
ツンデレ「撃て! 撃て! 撃ちまくれ!」ババババ

安西「来るな! 止まれ! 来るんじゃない!」ダダダダ

ギャルJK「ここまで来たのに死んでたまるかっつーの!!」バババ

リーパー「……」

ガガガガガガガガガガガガ

ツンデレ「……くそっ!」

ギャルJK「安西! ロケットランチャー使って!」

安西「はいィ!」スクッ

ツンデレ「援護する!!」バババ

リーパー「……」

ギャルJK「安西、今っ!!」

安西「……このっ!!」スチャッ

安西「当たれ゛ッ!!」カチ

シュゴオオオオオオオオオオオオ

リーパー「……?」

バシュウウウウウウウウウウウウ

ギャルJK「……当たった!!」

191: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)05:50:58 ID:saw
ツンデレ「やったか……?」

リーパー「……」

リーパー「フイイイイイイイイイイイン!」

ギャルJK「どんだけ硬いのッ!?」

安西「嘘でしょおォ!?」

リーパー「……」

ヒィイイイイイイイイイイイイン!

ツンデレ「来るぞ!」

ガガガガガガガガガガガガ

安西「ああああ゛!」

ギャルJK「もうどんだけっ!?」

ツンデレ「次は私がロケットを!!」

ギャルJK「わかった!! 安西!!」

安西「これを!!」ブン

ツンデレ「……ッ!」ガシ

ギャルJK「援護!!」ババババ

安西「頼みましゅウ゛!!」ダダダダ

ツンデレ「……」スッ

ツンデレ「くらえ……!!」ガチャ

リーパー「……」

ギャルJK(……まずい!?)

ギャルJK「ツンデレちゃん伏せて!!」

ガガガガガガガガガガガガ

ツンデレ「……ッ!?」

バシュッ!

192: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)06:05:42 ID:saw
ツンデレ「……ック゛!?」ブシュッ

ギャルJK「ツンデレちゃん!!」

安西「だ、大丈夫でしゅか!?」

ツンデレ「わ、私を気にするな゛! 肩を掠めただけだ!!」

ギャルJK「でも血が!!」

ツンデレ「いいから! 奴をこれ以上近付けるな!」ガクッ

安西「ツンデレしゃあん!?」

ギャルJK「くそおおおおおおおお゛!!」バババ

安西「救援はいつでしゅか!?」

ガガガガガガガガガガガガ

安西「……ガッ!?」ザシュ

ギャルJK「安西ィイ!?」

安西「あ、あ、あ……!」

193: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)06:06:30 ID:saw
安西「だ、大丈夫でしゅ゛!!」

安西「ぐぞお゛!」ダダダダ

ガガガガガガガガガガガガ

ギャルJK「きゃっ!?」

ギャルJK「この……!!」ババババ

ギャルJK「……」

安西「……はっ、はっ」ダダダダ

ツンデレ「……」ヨロッ

ギャルJK「おおおお゛!」ガチャ

安西「ギャル子しゃん……! ロケットを!?」

安西「援護しましゅおおおおおおおお!!」ダダダ

ギャルJK「これでも……!!」スッ

ギャルJK「くらえええええええ!!」カチッ

カチッ シュゴオオオオオオオオオオオオオ!

195: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)06:12:48 ID:saw
リーパー「……?」

ドゴオオオオオオオオ!

ギャルJK「はあ、はあ、はあ……」

安西「はぁ、んはぁ……」

ツンデレ「……くっ」ヨロッ

リーパー「……」

リーパー「フィイイイイイイイイイイイン!」

安西「そんな……」

ギャルJK「……もう」

ギャルJK「げん、かい……」ヨロッ

リーパー「……」

フィイイイイイイイイイイイン

安西(ミニガンが……)

ギャルJK「……ッ!!」

ギャルJK「もう……!!」

リーパー「……」

シュウウウウウウウウウウウウウウ

リーパー「……?」

ドゴオオオオオオオオオオオオオオ!


196: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)06:21:46 ID:saw
ギャルJK「……えっ!?」

ババババババババババババ!

安西「……ヘリだ」

安西「ヘリでしゅ!」

ギャルJK「もしかして、迎えが来た!?」

リーパー「……」

シュウウウウ ドゴオオオオオオオオオ

ツンデレ「……迎えが来たようだ」

ギャルJK「ツンデレちゃん!!」

安西「大丈夫でしゅか!?」

ツンデレ「ああ……。君たちは先に乗れ!」

ギャルJK「……えっ!?」

兵士「ツンデレ少尉! 迎えに来ました!」

安西「え!? 誰!?」

ツンデレ「細かいことは後だ……二人をヘリまで!」

兵士「了解です! 二人ともこっちだ!ホラ!」

ギャルJK「え!? ツンデレちゃん!?」

ツンデレ「先に行け!」

ツンデレ「私はこいつを……」ガチャ

197: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)06:29:59 ID:saw
リーパー「……」

ツンデレ「さっきのおかえしだ!」カチッ

シュウウウウウウウウウウ ドゴオオオオオオオオ

リーパー「……」

ツンデレ「手を貸してくれ!」

兵士「はい!」

ツンデレ「これより撤収する!!」

兵士「エスコートします!!」

ヘリ機内

兵士「離陸します!」

ツンデレ「ああ! 頼む!」

ババババババババババババ

ギャルJK「……」

安西「こ、これは……」

ギャルJK「安西、終わったんだよね……?」

安西「え、えぇ……」

ギャルJK「ツンデレちゃん……!!」

ツンデレ「……」

ツンデレ「二人に隠していてすまなかった」

ツンデレ「私はアメリカ軍の人間だ」

198: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)06:41:37 ID:saw
ギャルJK「……え!?」

安西「それって……!!」

ツンデレ「詳しくは言えない。だがここに来たのは任務のためだ」

ギャルJK「それじゃ、最初から……」

ツンデレ「……すまない」

ツンデレ「先程、日本国の首相と我がアメリカの大統領が約束事を結んだ」

ツンデレ「君たちの身分は保障される」

安西「……え!?」

ツンデレ「ひとまずは我々の空母へ向かう」

ツンデレ「アメリカに来るか、本土へ帰るか、そこで決めてくれ」

ギャルJK「どういうこと……」

空母内

ギャルJK「ツンデレちゃん!!」ダキ

ツンデレ「ギャル子……」

ギャルJK「ツンデレちゃん、ほんとにありがとね……!!」

199: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)06:53:31 ID:saw
ツンデレ「……怒ってないのか? 私は君に嘘をついた」

ギャルJK「そんなわけないじゃん!!」

ツンデレ「……!!」

ギャルJK「ツンデレちゃんのおかげで、みんなで脱出できた!」

ツンデレ「私こそ……」

ツンデレ「あの時私を撃たないでいてくれて、ありがとう……」

ギャルJK「うん……!!」ギュ

ツンデレ「ギャル子……」キュッ

安西「……」

兵士「Do you like coffe?」カタッ

安西「あ、い、イェス……」

安西「……」ズズッ

ツンデレ「ギャル子……」

ギャルJK「ツンデレちゃん……」

ツンデレ「二人とも、これから話せることは話す。時間はあるから、よく聞いて決断してくれ」

200: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)07:21:19 ID:saw
そして、時は流れ~

安西母「あんた、今日授業じゃないの?」

安西「んあ!? ああ……」

安西「行ってきまーす」

安西(あの実習から、何度も季節が巡った)

安西(僕は大学生になり、平凡な毎日を過ごしている)

安西(……まあ、政府から監視されているみたいだけど)

安西(あの実習は、国が主導する選抜生徒校外実習という名目だった)

安西(しかしその裏では……あくまでもツンデレさんの話から推測した話だが)

安西(彼女がいつか言っていたように、若者が戦場に行った際の参考として、また、AI兵器の実戦テストとして、そういった平時では決して取れないデータ類を取る為に行った可能性がある)

安西(親はそれについて知らなかったようだった)

安西(きっと僕に何かあったら家族ごと消すか、大金で口止めするつもりだったのか)

安西(あの実習を生き残り、僕はアメリカに亡命するか、日本に残るか選択させられた)

安西(アメリカに亡命した方が安全だったかもしれないが……僕は日本を選んだ)

安西(これも推測だが……ツンデレさんの潜入工作によって日本の暗部、この実習という暗部がアメリカに漏れた)

安西(その弱みを世界にバラされたくなかったら……という圧力を日本にかけたアメリカは、バラさないことと引き換えに実習のデータを共有するとか、そういう密約を日本と結んだんだと思う)

安西(日本に帰還した僕には、政府が口座を設置し大金を振り込んだ。一生遊んで暮らせるような金だ。いわゆる口止めだ)

安西(嬉しくはない。それと引き換えに政府から見えないとこで監視されるし、自由に海外旅行もできない。電話やネットも恐らく傍聴されてるだろう)

安西(だが、アメリカに亡命したとしても何をされるか分からない。恐らく日本のように監視されるだろう。あの実習が世間に漏れないように)

201: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)07:27:16 ID:saw
安西(ギャル子さんについては……)

安西(空母が横須賀の埠頭に着いたとき、あの時別れてから会っていない)

安西(お互いに連絡先を交換しようとしたが、政府の職員から禁止された)

安西(もし連絡が叶っても、どこまで監視されているか分からない……)

安西(ともかく、再会するのも禁止されているから、あれからギャル子さんには会っていない)

安西(何をしているだろうか、ギャル子さん)

202: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)07:37:53 ID:saw
上官「ツンデレくん、リーパーのスペックデータを君にも見て欲しい」

ツンデレ「はい……」

上官「どうだね? それほどの実力はあったか?」

ツンデレ「ええ……。ですが、まだ改善点もあります」

上官「……そうだな、『あの人造人間』にはまだまだ敵わないだろう」

ツンデレ「……はい」

上官「そうそう、彼女の調子はどうだ?」

ツンデレ「はい、今日もやりとりを交わしました」

上官「ははっ、元気そうだな」

上官「早く彼女に会いたいか?」

ツンデレ「い、いえ……」

上官「はは、心配するな」

上官「もうしばらくで我々のもとに来る」

上官「最強の人造人間がな」

ツンデレ「……」

203: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)07:39:26 ID:saw
上官「最強の人造人間……」

上官「……ギャル子が」







204: 名無しさん@おーぷん 19/08/28(水)07:43:15 ID:olp
おつやで