引用元: ・https://hayabusa.open2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1618660986/

1: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)21:03:06 ID:n2W7
「主人公、おまえは首だ」

 勇者は僕にそういって首をかっきるジェスチャーをした

「パーティーのやつらがよお。おまえは役にたたねえだの、無駄飯くらいだのうるさくてよぉ」

 しょうがない。僕の仕事は地味で目立たないからな

「おまえに首にしたほうがパーティーうまくいくってうるせえんだ。まあしょうがねぇからあきらめてくれよ」

 わかった、そう僕がいうと勇者は僕とともに歩き出す。

「じゃあそういうわけで俺もパーティーやめてこいつと出てくわ。ダチ見捨てて勇者が名乗れるかよ」

 そういうと、勇者は僕の尻を揉みながら笑った

3: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)21:04:45 ID:GbHG
ダチっつーかタチっつーかネコ

4: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)21:06:46 ID:5hOw
この発想だけでもうほとんどのなろう超えてる

6: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)21:08:03 ID:n2W7
「ちょっとまて! 雑用の主人公はともかく勇者のお前までぬけるだと!?」

屈強な体格の戦士が怒鳴る。無理もない。勇者が抜けてはこのパーティーも解散同然だ。

「なんで役立たずに勇者がついて行くのよ!?」

魔法使いは相変わらず嫌悪の視線で僕を睨みつける。この娘は才能豊かだったから、僕のような無能はいやだったんだろうな

「こんなこと…神がお許しになるとでも…?」

聖女と唱われた僧侶も勇者を止める。彼女は僕を無能呼ばわりはしなかったな。かばってもくれなかったが。

「うるせぇぞボケども。こいつは俺が村でたときからの幼なじみなんだよ! 役に立つとか立たねえじゃねえ! ダチなんだからよぉ!」

 勇者、良いこといってると思うけど、僕の尻をもみし抱きながら怒鳴るのはやめろ

10: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)21:09:43 ID:5hOw
>>6
最後の一文が臭い
けどクセになる

11: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)21:09:43 ID:Ynvh
もみもみで草

19: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)21:11:59 ID:n2W7
「そいつは雑用が精々の小僧だぞ。これから先に必要ではない。もうガキではないんだ考え直せ」

「うるせえぞ戦士! 俺とこいつは一心同体よ。それに文句があるなら力で通しな!」

 勇者が剣に手をかける。戦士も斧に手をつけた。
 ダメだ。殺し合いになる。

「なんで、なんでそんなのにあんたがついていくのよ! こんな無能に!」

「魔法使い、女のおまえにはわかんねぇだろうな。男はな、ダチは死んでもダチなんだよ!」

 勇者、剣を握りながら僕の尻をなで回すのはやめろ

20: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)21:13:19 ID:5hOw
なろうっていうかエブリスタにありそう

21: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)21:17:04 ID:n2W7
「勇者様…そこまでの覚悟なのですか…?」

 手を合わせ祈りの姿勢のまま、僧侶がつぶやく。その神聖な姿に、戦士も勇者も殺気を抑え、剣からゆっくりと手を離した。

「…俺は村にいたころはただのチンピラだった。親もねぇ学もねぇクズ呼ばわりの野良犬だ。そんな俺に読み書きや人付き合いを教えてくれたのがこいつなんだよ。勇者と誉められたくらいで捨てられるやつじゃねぇんだ」

「そのために魔王を倒す任務を捨てるのですか? 多くの人々を救うための…」

「顔も知らねえやつより、俺はダチのために死ぬよ」

 勇者、指をいれようとするな。やめろ。

22: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)21:24:24 ID:n2W7
「おまえらはこいつを無能というけどよぉ。こいつは必死に裏を支えてきたじゃねぇか。今更いらねぇなんてよく言えるな? 英雄と言われりゃ義理も人情も忘れちまうのか?」

「…それはその凡人の小僧では下働きが精々だからだろ」

「戦士、おまえが死にかけたとき、毒を治すための毒消しを命がけで取ってきたのは誰だ?」

「……」

「魔法使い、おまえの魔力が切れたときに、背負って走ってくれたのは誰だ?」

「……」

勇者は僕の働きをずっとみていた。無能と呼ばれ凡愚と笑われる僕の無様な、それでも必死な戦いを。

「こいつはそれでも文句一ついわねぇ。イヤともいわねぇ。そういうやつなんだよ。見捨てられるかよ」

 正直、尻をもみし抱くのをやめろと言いたい。

25: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)21:31:05 ID:OwLE
主人公が女の可能性に賭ける

27: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)21:31:25 ID:n2W7
「……そういうわけだ。おまえらとはやってけねぇ。安心しな。魔王は俺たち二人で倒す。あばよボケども」

 そういうと勇者は僕の肩を抱いてみんなに背を向けた。
 勇者の頬に、涙があった。
 当たり前だ。命を助け合った仲間だもの。それを捨てて、それでも僕を選ぶのか。

「心配すんな主人公、魔王だろうが魔族だろうが、全部俺がやってやらあ!」

 強気に笑う勇者は、それでも僕の尻から手を離さない。正直魔王より僕はこいつが怖い。

「勇者様、主人公様。非礼をお詫びいたします。それでも私も同行させて下さい」

 後ろから僧侶がついてくる。勇者は振り返らない。

「やめとけよ。教会のお嬢様にはキツくなるぜ」

「いいえ、ぜひついていきます」

 勇者、腰をおしつけてくるな

29: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)21:37:05 ID:n2W7
「魔王を倒すことは命をかけた使命…されどお二人をこのまま見殺しにすることは神の教えに背くことです」

「は! 酔狂な聖女様だぜ。まあ傷を治す役はいるとありがたいがな! なあ主人公!」

 そうだなと思う。主に痔の治療とか。

「ありがとうございます。では改めてお願いしますね」

 本当にありがたい。まさしく彼女は聖女だ。
 そう思った時。そっと、僧侶は僕の耳元で勇者に聞こえぬように囁いた。

「わかっております…お二人の関係…応援しておりますから」

 なにをいってるんだこの腐れ尼は。

「宿屋は必ず二人きりで取れる部屋を必ず確保しますから…存分に」 

 ふざけんじゃねぇぞ

「さあいくぞ主人公! 3人で再出発だ!」

 このパーティーから首になりたい。


 終わり
 

30: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)21:38:00 ID:1WSv
どのキャラにも名前を付けずにテンプレだけで物語を書けそう

34: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)21:46:37 ID:GbHG
おもろかった

36: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)22:11:44 ID:SRxC
パーティをクビに…
略してティクビやな

39: 名無しさん@おーぷん 21/04/17(土)22:25:15 ID:n2W7
なぜこんなホモネタに人が群がるのか…ゲイの多いインターネッツだなあ